初代と2代目を徹底比較! 初代の開発者が新型ホンダN-BOXを3ポイントチェック

元ホンダのエンジニア繁浩太郎さんがN-BOXを斬る!

 初代N-BOXは、「軽」と言えばスズキ、ダイハツの2強に対して、新規参入の気持ちで魅力的なクルマ作りを目指した。発売直後から、とくにダイハツはN-BOXを意識したようで、よく似たデザインのウェイクを出してきた。それほど、初代N-BOXは今までの「軽」と異なる魅力があったと思う。新型N-BOXは初代と似ているようだが、デザインの新旧比較をし、その狙いを浮き彫りにしたい。

ホンダN-BOX

1)マーケティング&デザイン

 まず顔に逆台形グリルを採用したことでより普遍的な顔になったし、バンパー面(顔)はほぼ平らになって「軽」を感じやすくなった。ボンネットは歩行者保護対策でサイド見切りに。その結果見切り線が後ろまで通り、初代の特徴的なドアセクションはなくなり、サイドビューも一般的なものになった。

ホンダN-BOX

 リヤビューもテールランプが大きくなり、よりミニバンっぽくなった。リヤ部分をサイドから見るとバンパーからルーフまでの角度とカーブが立ち、またクォーターウインドウグラフィックもより一般的なデザインだ。

 このように、新型のデザインはずいぶんと一般的なデザインに近づいたと言えるだろう。つまり初代はブランド作りを意識し、ダイハツ・スズキの「軽」デザインから離れてきめ細かくデザインされたが、新型はより競合車に近づいたように感じる。すでにN-BOXブランドが確立した2代目として、ユーザー層を広げるデザインとしたのかもしれない。

2) 性能&機能

 走りは「シルキー」と言ってもいいようなスムースなものになった。より静かで乗り心地がよく、ロールも少ない。細かいことを言うと、ハンドリングも電動パワステの嫌な感じはなく、動的性能は「軽」の背の高いクルマの常識を超えた。

ホンダN-BOX

「軽」は外寸の枠があるために、有効室内長を稼ぐにはフロント席を前方に出すしかないが、そのためにはアクセルペダルの位置と人の座らせ方に工夫が必要だ。新型では、アクセルペダルが前に出ているし、ほかの工夫とあいまって、各部寸法拡大がされ「軽ナンバー1」をキープしているし、実際広く感じる。

ホンダN-BOX

  

 ボディからエンジンなどほぼすべてを新作した結果、マイナス80kgと軽量化された。この結果、カタログ燃費は27km/Lと少しの向上だが、実際の燃費向上のほうが大きいと思われる。つまり実燃費がいいということになる。

3)使い勝手

 室内が広くなり、助手席が大きくスライド、また前席のウォークスルーもできるようになって、室内の使い勝手が大きく向上。実用性についてはまさにミニバンだ。こうなるとタントのように助手席側のセンターピラーをなくしたくもなるが、衝突/剛性/軽量化などの設計効率を考えるとやはり難しい。ちなみに、次期タントはセンターピラーを付けてくるのではないかと、個人的には予測している。

ホンダN-BOX

 普段よく見るメーターやナビは位置もいいし、大きさも最適だ。またフロントピラーの太さやルームミラーの位置も工夫され、いずれも視認性や視界は格段に向上した。また助手席の前のインパネトレーは深くなり、モノ落ちの心配が少なくなった。

ホンダN-BOX

 このように新型N-BOXは、ブランドが確立した2代目ということもあり、デザイン的にはより一般化しつつ、性能や使い勝手はより向上したクルマとなった。このあとの、N-WGNやN-ONEなどがどういうフルモデルチェンジをしてくるか、さらに他メーカーの動きなどにも興味がわいてくる。

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