軽でもここまでやるか! ホンダが新型N-BOXに詰め込んだ贅沢すぎる技術 (1/3ページ)

軽のNA初のVTECに軽初のウエストゲート!

 N-BOXには新開発のエンジンが投入された。660㏄以下という排気量制限のなかで高出力と低燃費を両立させるため、先代N-BOXのエンジン(S07A)もロングストローク仕様だったが、新しいS07Bはさらにロングストローク化された。大幅な軽量化およびエンジンの低燃費化に加え、従来モデル同様のクラストップのトルクを両立させることができたのでハイギアード化が可能になり、さらに燃費性能を向上させることができている。

ホンダ新型N-BOX

 S07BにはNAとターボ仕様の2タイプを設定。NAは軽自動車として初めて「VTEC」を搭載(吸気側)したほか、ボアの小径化にともない燃焼室の表面積を縮小することで冷却損失を低減させ、またスパークプラグから燃焼室遠端までの距離を短かくすることで耐ノック性も高めている。レギュラーガソリン仕様ながら12.0という高圧縮比を実現し、燃費性能も高めた。

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 ターボ仕様では、新たに電動ウエストゲートを採用した(軽自動車初)。ウエストゲートは本来、ターボの過給圧が上がりすぎるのを防ぐために高負荷領域だけ機械的に作動するものだが、これを電動化して低負荷時にも作動させることでターボチャージャーの負荷を減らし、過給圧の立ち上がり特性も制御できる。

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 660㏄のターボ付きエンジンで自主規制枠の64馬力を発揮させるのは、現在の技術では難しくはないので、高回転域の出力を当然確保しつつ低回転域での扱いやすさや燃費性能を高めるべく、VTC(連続可変バルブタイミング・コントロール機構)と電動ウエストゲートで出力特性を制御しているのだ。

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 トランスミッションはエンジンタイプ、駆動方式にかかわらずCVTとなる。NA用、ターボ用でそれぞれ変速比が設定されているが、ターボ用は全体的にハイギヤードで、マニュアルモード付きとなっている。CVT内部構造を見直し、フルード量を従来より少なくすることで攪拌抵抗を低減し、またシールリングなども低フリクションタイプに変更。

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 CVTのオイルポンプは従来の1系統から2系統に。CVTではプーリーがベルトを挟んだり潤滑のために油圧が必要だが、低/定負荷領域では高圧系統の油圧をそれほど必要としないので、1系統の高圧ポンプではロスが生じる。そこで、車両の運転状態に応じて2系統の油圧回路(高圧系/低圧系)を切り替えることで、ポンプ全体のロスを低減。また、プーリー径のサイズアップや表面性状の変更、フルードの変更により、プーリーにかかる油圧を低く設定しオイルポンプの負担を軽減している。CVTの進化も燃費向上に大いに貢献しているのだ。

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