【ライバル比較】1400km走行でチェック! 最強の最新ハッチバックはどれ? (2/4ページ)

高速道路では性能のバランスがいいゴルフが好印象

 一部区間の最高速度が110㎞/hに引き上げられた新東名を経由し、伊勢道の津ICまで高速道路を駆け抜けた。まずは高速クルージングの印象からお伝えする。

●フォルクスワーゲン・ゴルフ

 ゴルフが搭載する1.4リッター直4ターボエンジンはアクティブシリンダーマネジメントを搭載し、低負荷時は2気筒を休止させて燃費を向上。トランスミッションはツインクラッチの7速DSGを組み合わせる。

 追い越し加速での速度の伸び感ではメガーヌGTに軍配があがるが、それ以外の要素はゴルフのほうが優れている印象。乗り心地を含めて穏やかに運転できる。これはタイヤサイズが17インチと控えめかつエアボリュームが豊富で、そのしなやかさを上手く使いこなしていると読み取れる。運転支援システムも充実しており、長距離移動も苦にならない。路面変化に対して乗り心地や走行音の変化がとても少なく、絶えず穏やかな走行を続けられる。

 気になる要素を挙げるなら、突然の強い追い越し加速操作に対して、変速して加速までのタイムラグがあること。それくらいクセのない仕上がりで、接戦になればなるほど強みが出てくる。

●スバル・インプレッサ

 軽量かつ低重心がウリの2リッター水平対向4気筒エンジンを搭載するインプレッサ。トランスミッションはリニアトロニックと呼ばれるCVTで、高開度になるとステップ変速に切り替わる。

 その走りは、乗り心地だけをとらえたら、ゴルフを超えている。4WDで走行安定性が高められ、足まわりは突き上げが少ないしっとりした滑らかな乗り心地に仕立てられる。シートのクッション性がいいのも、細かいコツコツ感の低減に効果を発揮している。

 一方で、わずかながらハンドルに遊びがあるのが気になった。この遊びが”わだち路”などの路面変化が起きたとき、突然ハンドルが取られるような動きをする。レーンチェンジのような操作に対しても、急にクイっと反応する感覚があり、4WDで安定しているが、インフォメーションとして唐突さがある。

●ホンダ・シビック

 シビックが積む1.5リッター直4ターボエンジンには、直噴システムや吸排気デュアルVTC、電動ウエストゲート付きターボチャージャーを採用。トランスミッションはCVTと6速MTが選択できるが、今回はCVTだ。

 同じ波を超える際に、大きい船と小さい船、どちらが揺れるか? やはりホイールベースの長さがメリットを生んでいる。ゴルフより65㎜、メガーヌやインプレッサより30㎜長いメリットは、揺れの少なさや穏やかな姿勢変化、優れたフラット感で享受できる。

 しかし味付けは全般的に硬派でスポーティだ。まず走行音が大きい。巡航時のエンジン音、後輪のホイールハウス付近から入るロードノイズ。とくに荒れた路面での後席での音はかなり気になる。ハンドルにインフォメーションが的確に入ってくるが、高速道路を走る環境ではもう少し”いなし”てほしい。

 動力系の完成度は高く、CVTの賢さ、追い越し時の加速を含めてエンジンの吹き上がりや反応はとてもいい。

●ルノー・メガーヌ

 メガーヌが搭載する1.6リッター直4ターボエンジンは205馬力/280N・mというGT専用の高出力型ユニット。トランスミッションは7速EDCと呼ばれるツインクラッチタイプ。パドルシフトも備わっている。

 さて、高速走行では、シート形状がよく、4台中もっともリラックスして乗っていられるのだが、乗り心地がとにかく硬い。奇麗なアスファルト路面では優れた乗り心地を提供してくれるが、荒れた路面や凸凹ではダイレクトに振動を伝えてしまう。

 追い越し加速でのエンジンレスポンスはいいし、意識しただけでレーンチェンジ動作が行なえそうなほど、ダイレクト感のある動きを備える。それでいて過敏さのない味付けとしているなど拍手を送りたい要素が多い。メガーヌはどこを取ってもスポーティな味付けだということだ。


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