クルマは「布シート」と「革シート」どちらを選ぶのが正解か? (1/2ページ)

この記事をまとめると

■クルマのシートには大別して3種類の表皮がある

■一般的な乗用車では革かファブリックかの選択となる

■高級なのは革だがデメリットも存在する

高級な革シートがすべてに勝るわけではない

 クルマのシートの表皮の材質は、大きく分けて三種類、ファブリック(布)かレザー(本革)かビニールの三つがある。このうち、高級なイメージで考えるならば、本革、ファブリック、ビニールの順。本革シートは、牛の皮をおよそ10段階の工程を経て加工したもので、風合いがよく、肌触りも気持ちいい。

 クルマのシート用の本革は、表面保護用の塗膜をコーティングしたセミアニリンレザーで、耐光性、耐熱性に加え、キズや擦れに対してはファブリックより耐性も強く、丈夫で撥水性にも優れている。また、ファブリックよりもホコリが立ちにくいので、喘息やアトピー、ハウスダストアレルギーなどの症状がある人や、ペットを飼っている人には、本革シートのほうが衛生面で向いているといえるだろう。

 その反面、本革は材料費も高く、加工に手間暇がかかっているのでハイコストというのがデメリット。革製品なので、ある程度のメンテナンスも欠かせない。またファブリックなどに比べると、どうしても表面が滑りやすく、スポーツカーのシートとしては好悪が分かれるところ(ポルシェもフェラーリも本革シート好きだが)。

 フェラーリのF1マシンなどは、滑りにくいバックスキンを使ったきれいなシートを作っていたが、バックスキンは耐久性が低いので、市販車には適さない……。もちろん、本革シートにもピンからキリまであり、高級車には一枚革の縫い目の少ない、原皮の表皮を活かした革を使っている(安い革は、牛が生きているときについた傷をとるため、皮を伸ばして表皮を削り顔料をたっぷり塗ってごまかすので、表面が固くて風合いも劣る)。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

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日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)
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