クルマは「布シート」と「革シート」どちらを選ぶのが正解か?

クルマは「布シート」と「革シート」どちらを選ぶのが正解か?

高級な革シートがすべてに勝るわけではない

 クルマのシートの表皮の材質は、大きく分けて三種類、ファブリック(布)かレザー(本革)かビニールの三つがある。このうち、高級なイメージで考えるならば、本革、ファブリック、ビニールの順。本革シートは、牛の皮をおよそ10段階の工程を経て加工したもので、風合いがよく、肌触りも気持ちいい。

 クルマのシート用の本革は、表面保護用の塗膜をコーティングしたセミアニリンレザーで、耐光性、耐熱性に加え、キズや擦れに対してはファブリックより耐性も強く、丈夫で撥水性にも優れている。また、ファブリックよりもホコリが立ちにくいので、喘息やアトピー、ハウスダストアレルギーなどの症状がある人や、ペットを飼っている人には、本革シートのほうが衛生面で向いているといえるだろう。シート素材

 その反面、本革は材料費も高く、加工に手間暇がかかっているのでハイコストというのがデメリット。革製品なので、ある程度のメンテナンスも欠かせない。またファブリックなどに比べると、どうしても表面が滑りやすく、スポーツカーのシートとしては好悪が分かれるところ(ポルシェもフェラーリも本革シート好きだが)。シート素材

 フェラーリのF1マシンなどは、滑りにくいバックスキンを使ったきれいなシートを作っていたが、バックスキンは耐久性が低いので、市販車には適さない……。もちろん、本革シートにもピンからキリまであり、高級車には一枚革の縫い目の少ない、原皮の表皮を活かした革を使っている。(安い革は、牛が生きているときについた傷をとるため、皮を伸ばして表皮を削り顔料をたっぷり塗ってごまかすので、表面が固くて風合いも劣る)

 一方、ファブリックはコスト的に有利で滑りにくく、吸湿性の良さなどのメリットがある。どちらの素材にも一長一短があるので、最終的には個人の好みで選べばいいとしか言いようがない。それよりも大事なことは、ポジションがしっくりくるシートを選ぶこと。シート素材

 残念なことに、クルマのシートは体型に合わせて、L、M、Sなどとサイズを選ぶことができない。そのため誰にでもピッタリ合うとは限らないが、シートが決まらなければ、正確無比なドライビングなどできないので、ここは妥協したくないところ。シート素材

 もうひとつ注目したいのは、ウレタンのクオリティとフレームの剛性。安っぽいシートのフレームは、座面に金属バネが入っていなくて、背もたれの構造もスカスカで剛性がない。優れたシートは、パイプ状の外枠に鋼板を溶接したモノコック構造で、金属製の平面バネとコイルバネを併用しているケースもある。

シート素材

 そしてウレタン。ウレタンも一流のシートと安物のシートで大きな差がある。レカロなど長距離を乗っても疲労感が少ないシートは、ウレタンの弾性と座り心地の良さが絶妙なバランスになっていて、このウレタンのクオリティがとても重要。いいサイズ、いいフレーム、いいウレタンのシートなら、表皮は本革でもファブリックでも、予算と自分のこだわりでチョイスすればきっと満足できるだろう。

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