初心者必見! 免許取り立てでも運転しやすい軽自動車以外のコンパクトカー3選

「運転視界のよさ」「小回り性能」「車幅」などが重要!

 この春に学校を卒業したり、新社会人になって運転免許を取り、クルマに乗り始めた初心者ドライバーも少なくないはず。そこで運転初心者、運転が苦手だと思っている人でも運転しやすく感じ、使い勝手のいいクルマ選び術を伝授したい。基本はボディサイズがコンパクトなこと。ここでは軽自動車をあえて省き、小型車の中からとっておきの3台、5車種を紹介することにする。

 運転初心者、運転が苦手な人がまずチェックすべきはざっくりボディサイズというより車幅。そして小回り性能だ。運転が大変に感じられるのは狭い道や切り返し、駐車、チケットを取ったり料金を支払う料金所だったりするわけだが、車幅が狭めのクルマは運転が楽に感じられ、すれ違い、駐車などがしやすくなるのは当然だ。

 また、最小回転半径が小さく、小回り性が良ければ幅寄せもしやすく、駐車が楽になると同時に料金所などにもクルマをピタリとつけやすくなる。

 ただし、コンパクトで小回り性が良ければすべてよし、というわけではない。じつは、同じボディサイズでも運転視界が高いほうが運転しやすく感じ、料金所などでチケットを取ったり料金を支払うのも楽になるのである。とはいえ、いきなり背の高いSUV、大家族でもないのに見晴らし視界が特徴のミニバン……というのはナンセンス。

 そこでお薦めしたいのが、ガラパゴス的とも言える国内専用車の中にある、車幅が狭めで、運転席のシート位置&視界が高いクルマたちだ。日本では車幅が1700mmを超えると3ナンバーになるため、多くの小型車、実用車は5ナンバー枠内に収めるため1695mmという車幅が一般的。5ナンバー枠内でもギリギリまで車幅を広げ、車内に余裕を持たせたいからだ。

 ところが同じ5ナンバーのコンパクトカーでも、あえて車幅を1695mmギリギリまで広げず、より運転しやすく使いやすさを追求したクルマたちが存在する。

 例えばトヨタ・タンク&ルーミー/ダイハツ・トールはダイハツが生産するコンパクトカー(トヨタへOEM供給)。ボディサイズは全長3700mm、全幅1670mmと、5ナンバーの登録車でありながら、幅がやや狭いサイズ感が特徴だ。

 しかも全高が高めのため、同時に前席の着座位置も高めで、運転のしやすさに直結する視界に優れ、最小回転半径は軽自動車並みの4.7mと、料金所でチケットを取り、お金を払う場面(ある意味幅寄せ)でも超ラクラク。

 運転初心者、運転が苦手な人でも「流行に乗ってクロスオーバーSUVに乗りたい!」というなら、スズキ・クロスビーが最適だろう。内外装デザインは立派なクロスオーバーモデルのようだが、全長3670mm/全幅1670mmと見た目のサイズ感よりはるかにコンパクト。

 最小回転半径も4.7mと小回り性は文句なし。しかも走りの質感、悪路走破性にも優れ、意図せず悪路、雪道などに足を踏み入れても安心だ(当然、雪道はスタッドレスタイヤが必須)。もちろん自動車としての基本部分の満足度も高い。

 コンパクトで運転しやすいクルマでも、室内の広さや後席の乗降性(高齢の家族がいたり、愛犬を乗せる機会もあるという人にはとくに欠かせないポイント)がとびっきりいいクルマが欲しい……というなら、スズキ・ソリオだ。

 またまたスズキ、軽自動車メーカーかい! と思うかもしれないが、ソリオはクルマ選びのプロでもあるボクが、個人的にも大いに気に入っている使いやすさを極めたコンパクトカーである。

 エクステリアはミニバンのような存在感を持ちつつ、全長3710mm/全幅1625mmと、トヨタ・タンク&ルーミー/ダイハツ・トールやスズキ・クロスビーよりさらにスリムなボディで、最小回転半径4.8mと小回り性もばっちり。

 運転席の視界はミニバン的に高く、運転のしやすさ、料金所などでの使い勝手も超抜群。もちろん両側スライドドアだから後席の乗降性は抜群。Mクラスミニバンの2列目席を思わせるクラス最大級の広大な後席居住空間も大きな魅力と言っていい。

 ソリオを薦めるのは、それに加えて走りがすごくいいから。乗り心地は上質で静かで、加速性能、安定感なども“意外”と思えるほど高いレベルにある。ハイブリッドだから燃費性能も文句なしである。

 ここで紹介した3台、5車種はいずれもダイハツ、スズキが開発、生産するクルマたち。やっぱり軽自動車メーカーは運転初心者、運転が苦手なユーザーの気持ちをよく理解しているということでもある。

 だったらスズキ・クロスビーの弟分「ハスラー」のほうが、よりコンパクトだから運転しやすいのでは? という理屈もあるにはあるが、やがては運転に慣れ、友達を誘って遠出する機会も訪れるはず。となると、長く乗るつもりなら、友達4人を乗せられる最大5名乗車が可能で(軽自動車は4名定員)、ロングドライブがより楽になる動力性能を備えた小型車のほうをお薦めしたいのである。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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