舗装路メインのSUVも多数! 本当に悪路に強いSUVの見分け方とは?

まずは4WDであり最低地上高200mm以上が第一の目安

 まず第一に注目すべきは最低地上高。いかに優れた四駆システムを備えていても、シャコタンでは悪路や豪雪路での限界値が下がる。シャコタンは極端としても、悪路に強いクルマを選ぶなら、最低地上高は少なくとも180mm以上は欲しい。最低地上高の数字で悪路に強いかそうでないかがおおむねわかるので、主要諸元表を見てチェックしよう。悪路走破性最低地上高の数値で判断する目安を挙げると、

・140mm以下:悪路どころか、ちょっとした段差も注意したい
・140~150mm:未舗装路は避けたい
・150~160mm:未舗装路でも大きな凹凸がなければOK
・160~180mm:ある程度の悪路走行が可能も不安は大きい
・180~200mm:悪路を走る前提の設計か否かのライン
・200~220mm:悪路でもかなり安心できるレベル
・220mm以上:最強レベル

 という感じになる。もちろん、四駆システムやアプローチアングルなど、最低地上高以外にも様々な要素をチェックする必要があるが、最低地上高に余裕のあるクルマ(180mm以上)は悪路走行を想定した設計となっているので、判断基準になる。

 一見するとどれも悪路に強そうに見えるSUVやクロスオーバー車も、悪路走行はほとんど想定していない都市型も少なくないので、ある程度ラフな路面を走りたい人は最低地上高に注目してほしい。

 2番目に重要なのは駆動力で、やはり四駆であることが大前提となる。四駆システムの中にも、生活四駆と呼ばれる補助的なものや、サーキットなどで大出力を最大限に発揮するためのものは悪路走行には向かないので注意したい。

 悪路に強い四駆システムどうかを判断するには、デフロック機構を備えているかどうかが目安のひとつになる。四駆システムの切り替えモードの中に四輪ロック状態となるものがあれば、その四駆システムは悪路走行を前提としていると判断可能。メカニカルなデフロックではなくても、それに近い駆動力を発揮する四輪の駆動力の制御が機能するシステムもある。

 あと注目したいのは、オフロード走行路に役立つ電子デバイスとして、ヒルディセントコントロールを備えているかどうか。これがあれば、雪や未舗装路での滑りやすい急な坂道を下る際に、自動的にブレーキ操作を行ってくれるので、安定を保ちながら速度を低く抑えて走行できる。

 また、SUBARUのX-MODEのように、四輪駆動でもタイヤが空転するほどμの低い路面から脱出するための電子デバイスを装備すると安心感が高い。

 あとはバンパーの先端部分と路面との角度を示すアプローチアングルやデパーチャーアングルも重要となる。カタログやWebサイトでこの数値を公開しているクルマは悪路走破性能に自信を持っていると判断できるので、公表しているかどうかをチェックしたい。SUVでこの数値をアピールしていないモデルは、本格的な悪路走行は避けるべきと判断したい。

 さらには、標準装着するタイヤのタイプも要チェック。最初からマッドテレーンやオールテレーンタイヤを装着しているクルマは悪路走行を前提としていると判断できる。SUVでもエコタイヤやハイグリップ系のタイヤを履いている場合は、悪路走行を前提としていない場合が多い。

 さらに細かいところでは、悪路ではなるべく車重が軽いほうが有利だ。最低地上高や四駆システムなどの条件が同じでも、車重が軽い方が悪路走行の限界値はより高くなる。

 悪路に強いクルマの条件を整理すると、以下の項目がチェックポイントとなるので、選ぶ際の参考にしてほしい。

・最低地上高が200mm以上
・悪路走行を前提として四駆システムを搭載している(デフロック機構がある)
・悪路走行むけの電子デバイスを装備している
・アプローチアングルやデパーチャーアングルを公開している
・マッドテレーンやオールテレーンタイヤを装着している
・できるだけ車重が軽い


マリオ高野 MARIO TAKANO

SUBARU BRZ GT300公式応援団長(2013年~)

愛車
初代インプレッサWRX(新車から28年目)/先代インプレッサG4 1.6i 5速MT(新車から8年目)/新型BRZ Rグレード 6速MT
趣味
茶道(裏千家)、熱帯魚飼育(キャリア40年)、筋トレ(デッドリフトMAX200kg)
好きな有名人
長渕 剛 、清原和博

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