最近新車ディーラーで「車検切れ間近のお客」が歓迎されなくなった理由とは (2/2ページ)

33カ月点検は新車への代替えを進めるきっかけ作り

 納期遅延が発生すれば、下取り予定車をその分乗り続けなければならないので、車検有効期間切れがすぐやってくる下取り車は継続車検を受けなければならない。新車を販売したディーラーが格安で車検を通したり、車検を通さずに下取り車だけ回収して代車などを貸すケースなど、その対応はさまざまだが、ディーラーだけでなく、新車を購入したお客にも面倒がかかってくることになる。セールスマンはそれを嫌がって、車検有効期間に多少余裕のある下取り予定車に乗っているお客をAホット客としているようだ。

 逆に継続車検を受けた直後の愛車を下取りに出せば、下取り査定額が良くなるし、かえって買い得感の高い新車購入になるのではないかと考えるひともいるだろう。もちろん車検有効期間に応じて下取り査定では加点されて査定額はアップするのだが、それ以上、つまり付加価値としては高い評価されないようである。今どきは中古車販売に際しては、購入時に車検を取り直すケース(いわゆる車検整備付きというケース)が好まれる傾向もあるので、昔ほどは”車検残たっぷり”というのはありがたがられなくなっているようだ。

 確かに継続車検を受けるタイミングというのは、代替えを決意するひとつの時期であることには変わりない。あるディーラーでは初回車検(初度登録から3年間有効)を迎える直前、33カ月ぐらいのタイミングであくまで任意となるが”33カ月点検”として、メンテナンスパック(一定期間の任意で受けるものや、法定点検などにかかる費用を一括して前払いすることで割安になるもの)メニューに含んでいるとのこと。

 しかし、この33カ月点検は、車検有効期間切れのタイミングでの新車への代替えを進めるきっかけ作りのために設けられているようなのである。

 今どきは新車への代替えを行わずに、そのまま継続車検を受け続けて10年以上乗り続けることも珍しいことではなくなっている。昔より「車検が近いですね」というセールストークは、新車への代替え促進のための”おまじない”の効果は薄くなっているようだ。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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