最新技術を惜しみなく投入! エンジニアの情熱を感じるトヨタ新型カローラ スポーツのメカニズム (2/3ページ)

“スポーツ”のネーミングにふさわしい動力性能

 パワーソースはハイブリッド(以下HV)とコンベンショナルのふたつを用意。HVは現行プリウスと同じ1.8Lの2ZR-FXEエンジンと最新のTHS-IIを採用し、カタログスペックとしては同様となる。

 コンベンショナルは、C-HRに搭載されている4気筒1.2Lターボの8NR-FTSのレギュラーガソリン仕様。出力はC-HRと変わらないものの、エンジン内部から手を加えて燃焼改善や摩擦低減、回転フィーリングの向上、実燃費などの諸性能をアップさせている。

 大きく変わったのは直噴の燃焼に関する部分。従来はウォールガイド式の混合気形成であり、ファンスプレーインジェクターとの組み合わせで、ピストントップの中央寄りに混合気をプラグ側に突き上げるようなリップ(突起)が存在していた。

 今回は、エアガイド方式の混合気形成となり、ピストントップのリップがなくなり滑らかな凹レンズ状になったほか、インジェクターもマルチホール(多孔)型へと変更。これによってピストントップの燃料付着を減らしてPN(粒子状物質数)の排出量を抑制している。また、ピストンリングはDLC(ダイヤモンドライクカーボン)、ピストンスカートやクランク軸受けメタルの樹脂コートの改良で摩擦低減やなじみ性の向上を実施している。

 細かなところでは、補機ベルトを薄く曲げやすくして回転時の屈曲抵抗を減らしたほか、エンジンオイルもベースから改良された新処方の0W-20オイルとしている。これらの改良に加えて、MT車ではMTらしいトップエンドの伸び感が得られるよう、レッドゾーンをC-HR用の5600rpmから6200rpmへと引き上げている。

 さらに新開発の6速MTでは、エンジン制御と連動させてスムースな走りを提供するiMTが採用されている。これは欧州仕様のC-HRで導入済みのものであり、スポーツモードまたはスポーツ+モードで作動する。

 クラッチペダルセンサーやトランスミッションの回転センサーを加えることで、アップシフトやダウンシフトでのエンジン回転数をシンクロさせる「等速シフト」を行って、シフト時のギクシャク感をなくしてくれる。また、全走行モードで「発進アシスト」機能が働き、発進時のエンジンストールを低減するなど、誰もがベテランドライバーのごときスムースな操作を楽しめるようになっている。


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