新車購入の消費税増税適用タイミングは契約時ではなく登録日! 生産遅れなどの際のディーラーの対応は?

車両の生産遅れなどで10%の税率が適用されることも!

 いま巷では2019年10月1日から消費税率が現行8%から10%へ引き上げられることに関しての話題が盛んに取り上げられるようになっている。

 政府は、税率引き上げ後の買い控えなどによる消費落ち込みを防ぐ対策作りに躍起になっており、とくに負担増イメージの強い新車販売では消費税以外の自動車関連諸税の減税措置などを検討していると考えられる。

 だが軽自動車でも軽く車両本体価格で150万円を超えることを考えると、10%という計算しやすい税率でもありより負担増を感じやすいので、税率引き上げ後の深刻な販売不振は避けられないものと、販売現場ではある程度の“覚悟”をしているようだ。

 ところで、たとえばコンビニなどで食品を購入すれば、その場で精算時に消費税は課税され払うことになるが、新車購入のケースではどのタイミングで消費税は課税されるのだろうか? 消費税率引き上げもさることながら、“そもそも論”的な話を販売現場で聞いてみた。

 すると、「当該車両の登録申請業務の完了、つまり車検証やナンバープレートが交付されたタイミングでの課税となっております」とのこと。これは現金一括払いでも、ローンを利用した購入でも課税のタイミングは変わらないとのこと。

 それでは、たとえば注文書にサインした時は、9月中に登録業務が完了、つまり税率引き上げ前に完了するという予定だったが、車両の生産が間に合わなかったなど何らかの理由で登録が税率引き上げ後になってしまった場合はどうなるのだろうか?

「現金一括払いならば、再計算をおこない支払い額が増えた分をお知らせしてお支払いいただくことになります。ローンの場合は消費税率を10%で計算しなおして、再度信販会社へ融資の申請を行うことになります。この時税率引き上げで生じた支払い増分を頭金の上乗せにするか、または割賦元金に上乗せするかは、お客様のご判断となります」とのことであった。

 さらに話を聞いていくと、「売る側としては駆け込み需要をできるだけ減らすようにと動きますが、どうしてもギリギリのタイミングで新車購入を検討されるお客様は出てきてしまいます。9月はもともと年度締めでの半期決算セールなので、新車がよく売れる時期となります。いつにも増して2019年9月は在庫に余裕のある車種でも在庫薄もしくは、在庫が底をつく可能性は十分あるので、とにかく早めに動かれることをおすすめします」とのこと。

 さらに仮に登録時期が延びて10月になってしまうと、「『税率アップによる支払い増分は値引きで処理して欲しい』という声が、納車を待たれるお客様のなかから出てくるでしょうが、税金なのでそう簡単な話でもありません」としながらも、何らかの対応はしなくてはならないのではないかと語ってくれた。仮に200万円の新車を購入すれば、単純計算ならば8%課税なら16万円だが、10%課税なら20万円になり、4万円の負担増になるのは大きい。

「とくに登録車では登録申請業務にかかる日数を左右するのが車庫証明となります。ただ車庫証明は当該車両(新車)のフレーム番さえわかれば交付を受けられ、車両の登録が完了します。フレーム番号は生産より先行して割り当てられますので、極端な話、当該車両がこの世になくても(生産に着手していない)ナンバープレートの発給も可能とのことです。とにかく登録だけ9月中に済ませて(8%課税)、納車は10月というケースも多発するかもしれませんね(事情通)」。

 税率引き上げ直前の9月は何が起こるかわからないといってもいいほど混乱するのは必至。8%のうちに新車購入を検討しているならば、特段の事情がない限りは、とにかく早めに行動開始することをおすすめする。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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