これぞニッポンの底力! 地味にスゴイ世界初の国産技術と搭載車5選

現代で再び世界的に採用が広まっている技術も!

 世界初の国産技術について、すでにお届けしたが、もちろん1度では網羅できないほどたくさんある。大好評だったこともあり、さらに続編を。バブル前後を中心にまとめてみたが、今では考えられないような好景気をバックとしてさまざまな技術が登場している。現在では世界的に当たり前となったものがあるのは、日本人としても自慢できるところだ。

1)VTEC

 1989年にインテグラに搭載されて登場したときは驚愕だった。「バルブのリフト量やタイミングを変えられたら、高回転ではハイカムを入れたようになるのに」とは世界の開発者が考えたことだろうが、それは夢物語でもあった。それを実現したのがVTECで、吸排気バルブのタイミングだけでなく、リフト量も任意で切り替えられるというのは画期的だった。今に至るまでタイミングを変えることはどのメーカーもやっているが、リフトも含めてとなるとこれ以上の技術はまだ出てきていないと言っていいだろう。

2)電子制御アクティブサス

 これぞバブルの産物。油圧サスペンション自体はシトロエンが早い時期から採用していたが、それを電子制御でコントロールしたのは日産のインフィニティQ45が世界初。路面状況などを瞬時にモニタリングして、減衰力などを調整するという点に注目が集まった。

3)電子制御エアサス

 1980年代は技術の日産が全開だった時代でもあり、トヨタは日産に先んじられていた。しかし、1986年に登場したソアラのエアサスは電子制御で極上の乗り心地を実現した。ちなみに日本初のエアサスは初代センチュリーとなる。

4)4WS

 一時消滅の危機にあったが、最近では世界中で復活しつつあるのが4WS。進むロングホイールベース化に対して、ハンドリング性能を向上させるためなのだが、世界初は1985年に日産がR31スカイラインに搭載したもの。サブフレームをねじるように動かすという大雑把なものだったが、その後、スーパーハイキャスへと進化。他社ではマツダとホンダで4WS合戦が勃発した。

5)4輪マルチリンク

 4輪ダブルウイッシュボーンなどでトヨタに先を越されていた日産が巻き返しに投入したのが、4輪マルチリンクだ。一時日産のお家芸として広く採用されていた。リヤは簡単に実用化できたものの、操舵機能と複雑なリンクを両立させるのが難しかった。

 それを克服したのがR32スカイラインやZ32フェアレディZで、ダブルウイッシュボーンをさらに発展させたような特性だけに、走行性能において画期的な進化をもたらした。さらにFFでもプリメーラに採用することで、癖のあったFFの走りを大きく進化させた点にも注目だ。


近藤暁史 KONDO AKIHUMI

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