大人の女性から寄せられた声に応えたスズキ・ラパン モードの開発エンジニアにインタビュー (2/2ページ)

落ち着いた大人の女性をイメージして開発した

──今回の「モード」は、現状は20〜30代の女性が中心というユーザー構成を、もう少し上の世代にも広げたいという狙いから企画されたものなのでしょうか?

渡邉:それだけではありませんが、女性ユーザーにもいろんな方がおり、若い女性の中にも「これじゃない」という方がいらっしゃいます。いまだに先代以前のラパンを探す方もいて、既存ユーザーの中にも「私の欲しいラパンはこれじゃない」という方がいらっしゃるんですね。ラパン

 以前のラパンを所有している方でも「子育てが終わった今買うならちょっと違う」というように、女性の中でも好みが違う方が、どの地方にも少しはいます。その「少し」が集まると結構な人数になるだろうということで、今回の特別仕様車「モード」が企画されました。

──既存のラパンユーザーから「これじゃない」という声が上がっているということですが、その結果他車に逃げられたということはないんでしょうか?

渡邉:他車に逃げず、かつ新型ラパンに代替していないお客さまがいらっしゃるんですね。軽乗用車の平均車齢は9年くらいなんですが、軽自動車のモデルライフではまだ新型に代替していないお客さまもいます。あるいは、私の娘もそうなんですが、「初代がいい」というお客さまもいまして、私の娘は九州で中古車を購入しました(笑)。ラパン

 初代は幅広くいろいろなテイストを展開しましたが、2代目では王道がどこにあるのかを見極めて、3代目ではど真ん中を突いてきましたが、初代がカバーした真ん中ではない所にもお客さまがいます。初代のそういう所が好きだったお客さまは、「真ん中ではなく周辺のモデルも欲しいんだけどね」というニーズが、根強く残っているという印象ですね。

 その中でももっともニーズが強かったのが「もうちょっと落ち着いたラパンはないの?」というものだったので、そこを目指して作ってきました。

──そうして誕生した「モード」は、内外装のイメージカラーをネイビーにしていますが、その狙いは?

渡邉:「大人かわいい」というコンセプトを掲げたとき、カタログモデルはベージュの明るくかわいい雰囲気の内装なので、それを黒内装にすると男っぽくなり、変化も大きすぎるので、それはラパンではないと。そしてラパンは女性向けのクルマなので、「男向けはやってほしくない」という声が結構根強いんですね。ラパン

 というわけで、女性が好きなものを考えたのですが、ネイビーにベージュは洋服でもトラディショナルな鉄板の組み合わせで、女性の中でも落ち着いた大人の雰囲気が出せるということで、まずインテリアのイメージができあがりました。それから外観も、ノクターンブルーパールと組み合わせると、内外装がピッタリになる、というのが「モード」のコアイメージですね。

──外装も、ノクターンブルーパールとホワイトの組み合わせが、イメージカラーということですよね。

渡邉:はい。この組み合わせが、今回の特別仕様車にピッタリだと思っています。エンブレムのアクセントカラーもそれに合わせるように、ブルーの差し色を入れています。これは、インテリアは全車ネイビーとベージュの組み合わせなので、他の外装色を選んでも内外装が青のコンビになるようにした、という狙いもあります。ラパン

──シートも独自の仕様になっていますね。

 渡邉:はい、ネイビーのスエード調ファブリックとベージュのファブリックとの組み合わせですね。ラパン

──キルティングの模様は型押し成形ですか?

渡邉:そうですね、エンボス加工です。スエードとエンボスは初代のラパンから採用していますが、タッチが良く見た目も変わった雰囲気になりますね。

──これは初代ラパンモードから継承されたものなのですか?

渡邉:初代ラパンモードはもう少し毛足の長いラッセルでした。

──ヘリンボーンの木目調は非常に珍しいですよね。

渡邉:はい、非常に珍しいと思いますね。初代ラパンは水転フィルムという手法で木目調を表現していたのですが、現行ラパンはフィルムインサートなんですね。ですので柄が曲がらなくなりました。ヘリンボーンのようにカチッとした柄は、この技術でなければ表現できないんですね。ですからこれは、ラパンならではの柄だと思います。ラパン

──こういった柄は、手作りのアコースティックギターなどで見られますよね。

渡邉:あとは、箱根の寄木細工ですね。手の込んだ印象が日本ではありますので、キルティングと合わせ、トラッドかつ精緻なイメージを持たせています。

──シートにはパイピングも入れられていますね。

渡邉:このパイピングも、じつは二重なんですよ。通常の玉縁を一本回すだけではなく、柄の入ったベージュと、今回のネイビーを入れており、パイピングとしては手の込んだ仕立てになっています。これを前後シートに採用し、キルティングのネイビーと合わせて、インテリア全体の雰囲気を締めています。

──今後もラパンに関しては、女性向けど真ん中という方向性でブレずに続けていきたいというお考えですか?

渡邉:「モード」以前にも2台の特別仕様車を展開していますが、ラパン本来の女性向けというコアは外さずに、いろいろな女性がいるということを考え、女性視点で好まれるラパンを、いろいろな女性にスポットを当てて検討していきたいと思います。

画像ギャラリー