効率のよい制御がドライバーに違和感を感じさせた
ガソリンエンジンでもっとも効率の良い回転数は、毎分2000回転あたりとされています。無段変速できるベルト式CVTは、自在にエンジン回転を選べるので、燃費の良い走りをさせようとした場合、まずエンジンを効率の良い回転数へ上げてから、速度を高めていくという制御をしてきました。
そこで運転者には、エンジン音が高くなっているのに、ほかの変速機の場合と違って速度が十分にあがっていないと感じられ、「滑っているのでは?」と、錯覚させてしまいます。しかし実際にCVTが滑っているわけではありません。効率のよいエンジンの使い方をする制御によって、そのように感じてきたのです。
しかし一方でそれが違和感であるのは間違いなく、運転感覚を改善することが進められています。それは、CVTの改良だけでなく、エンジンとの相互関係による改善もあります。
まずCVTの改良では、副変速機や発進用のギヤを設けることによりCVTでの変速幅を広げ、変速比が大きいことによってエンジン回転数をあまり上げなくても滑らかに発進できるようにしたことで、エンジン回転数を高めなくても燃費への悪影響が出にくくすることが行われています。ベルトによる無段変速とギヤでの走行を巧みに組み合わせたCVTというわけです。