スバル・レヴォーグだけがナゼ売れる? 人気薄のステーションワゴン市場で気を吐く理由 (1/2ページ)

大ヒット車レガシィ・ツーリングワゴンのDNAを受け継ぐ

 日本車のステーションワゴン市場は縮小してすでに久しい。トヨタ・カローラフィールダーやホンダ・シャトルなど、小型の実用タイプのワゴンは比較的堅調な販売を記録しているが、スポーツ性を高めたタイプのワゴンはほぼ絶滅状態。SUVの走りに不満がなくなり、荷室容積の大きさと走りの良さを重視するユーザーがワゴンを選ばなくなったこと。燃費など環境性能を重視するユーザーが増えたことが、スポーツワゴン衰退の要因として挙げられる。

 そんななか、スバル・レヴォーグだけが国産唯一のスポーツタイプのワゴンとして力強く生き残り、一定の人気を博し続けている。デビューから5年目となり、最近では販売台数が4ケタを割るようになってしまったが、発売初年度は年間4万台以上を記録するヒット車に。3年目までは年間2.3万台程度の販売台数をキープするなど、国産ワゴンとしては孤高の存在感を発揮。次期型モデルが登場することも確実視されている。

 瀕死状態の国産スポーツワゴン市場にあって、唯一生き残ったのは、前身モデルのレガシィツーリングワゴンから受け継いだ伝統によるところが大きい。

 レガシィツーリングワゴンが開拓し、25年間培った「スポーツカーのような走りとユーティリティ性の高さを両立させたスタイリッシュなワゴン」という魅力は圧倒的な商品力を誇る。トヨタ・カルディナや三菱リベロ、日産アベニールやステージア、ホンダ・アコードワゴンといったライバルが次々と消えていくのを横目に、長年にわたり「ワゴンのひとり勝ち状態」を守り続けたレガシィツーリングワゴンのDNAをしっかり受け継いだのがレヴォーグだ。

 レガシィ時代のウイークポイントだった経済性については、レギュラーガソリン仕様の1.6リッター直噴ターボを設定して解消をはかり、レガシィ時代にはなかった新しい魅力も備えている。その一方で、クルマ好き層からはMTが設定されなかったことを批判され、いまだ待望論が根強いが、総合的な評価はとても高い。

 レヴォーグが成功したのは、レガシィツーリングワゴンの魅力を継承しつつ、「日本のスバルファン、およびクルマ好きの心をつかむこと」を強く意識して開発されたからだ。時代と逆行する国内市場向けのミドルクラス・ステーションワゴンをブランニューモデルとして投入したことは大英断といえた。


マリオ高野 MARIO TAKANO

SUBARU BRZ GT300公式応援団長(2013年~)

愛車
初代インプレッサWRX(新車から28年目)/先代インプレッサG4 1.6i 5速MT(新車から8年目)/新型BRZ Rグレード 6速MT
趣味
茶道(裏千家)、熱帯魚飼育(キャリア40年)、筋トレ(デッドリフトMAX200kg)
好きな有名人
長渕 剛 、清原和博

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