日産GT-Rの2020年モデルは何が進化した? NYで開発のキーマンを直撃インタビュー! (2/2ページ)

カーボンパーツを使用した理由は軽量化だけじゃない

 ――ボディはルーフ、エンジンフード、フロントフェンダーがカーボン製になりました。

田村:軽量化もありますが、カーボンルーフはシャシーでトータルのコーナリングパワー(CP)を引き上げたので、車体側もより強固な物にする必要がありました。

 ――インテリアは形状はもちろん骨格までも新設計したレカロシートを採用しています。

田村:CPを引き上げたことで剛性が足りなくなったので新設計しました。せっかくなので同時に軽量化も行なっています。

 ――これらの変更による軽量化はどれくらいでしょうか?

田村:カーボンブレーキ採用の効果がもっとも大きいですが、トータルで軽量化分が約30kgになります。

 ――一方、基準車の変更点は? パッと見て青い色が目立ちました。

田村:新色「ワンガンブルー」です。これはR34スカイラインGT-Rに採用した時の「ベイサイドブルー」のオマージュになります。じつは当時もワンガンブルーと名付けたかったのですが、色々と反対され……。今回やっと実現することができました。ただ、今回はコスメティックな変更だけでなく、ブレダブルシールの採用やトラックエディションにカーボンブレーキのOP、ホイールは単なる形状変更ではなく、軽くしながら剛性を上げるなど、NISMOで培ってきた技術を水平展開しています。

 ――まさに“成熟”と言った印象の2020モデルだと思います。

田村:すべてロジカルに突き詰めた結果になりますが、開発は大変でした。ただ、お客様が喜ぶために付き詰めたいと言う思いでした。従来モデルと乗り比べると、「同じパワーなのに!!」と驚くはずです。


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