速さも燃費もATが圧倒! だがMTが楽しい! というひと向けのマニュアル車を手足のように操るコツ6選 (2/2ページ)

シフト操作は「いいリズム」を体に叩き込むのが最善

4)シフトダウンの目安

 コーナー手前での減速、上り坂に差しかかるとき、追い抜きをかけるときなどはサクッとシフトダウンしておくと、加速が鈍らなくて気持ちがいい。ある意味、これがMT車の醍醐味ともいえる。なのである程度、積極的にシフトダウンは利用しよう。

 基本的には巡航している回転数から、ブレーキや上り坂の抵抗で、そのままのギヤなら1000回転以上、回転数が下がりそうなシチュエーションなら、シフトダウンしておいたほうがいい。

 また、長い下り坂では、エンジンブレーキを有効に使いたいので、2速(3速)ぐらいの低いギヤにして、エンジンブレーキを使う。下り坂で、ずっとブレーキランプがつきっぱなしというのでは、MT車オーナーとしては情けない……(コーナー手前では、エンジンブレーキだけでなく、フットブレーキも併用)。

5)ブリッピング

 MT車で厄介なのは、シフトアップよりもシフトダウン。なぜなら、ギヤごとに回転数と速度の関係にギャップがあるので、走行中に一段下のギヤに入れて、そのままクラッチをつなぐとその瞬間エンジンブレーキが大きく働き、ガクッと不愉快な減速Gがかかるからだ。これを解消するには2つの方法がある。

 ひとつは、クラッチをゆっくりつなぐ方法。これは発進時の半クラッチの要領で、ゆっくりつなぐことでクラッチにギヤとギヤの回転差を吸収させてしまうやり方。

 もうひとつは次のギヤに入れる前に、クラッチを踏んだまま軽くブリッピング(空ぶかし)をしてからクラッチをつなぐやり方。速度に対し、下のギヤでは不足している回転数をブリッピングで補ってからクラッチをつなげば、唐突なつながりを防ぎ、シフトショックの少ないシフトダウンが可能になる。

 ただし、タイミングとブリッピングの加減をマスターするには修練が必要。まずは平地で、後続車との距離に余裕があるときに、ブレーキを踏まずに、ブリッピングを使ったシフトダウンのみで減速する練習からはじめてみよう。

6)いいリズムは盗む

 シフトアップにせよシフトダウンにせよ、シフト操作の要諦は結局のところリズムにあるといってもいい。そしてそれを身につけるには、いいリズムでシフト操作ができる人の隣に乗って、いいリズムとは何かを知るのが一番重要。そして、そのリズムを模倣し、盗ませてもらうのが調達への近道だ。

 変速ショックの少なさ、アクセルワーク、クラッチワーク、そしてシフトレバーの動かし方。自主練だけではなかなか上達しづらいので、まずはシフトワークのお手本になる人を探すところからはじめてみよう(本当に上手な人はなかなかいないので、根気が必要ですが……)。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

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