「令和元年」に発売されるクルマとその第1弾とは? そこから見えた近年の新車販売の難しい現実 (1/2ページ)

「令和」第一号はスープラかマツダMAZDA3

 本日2019年5月1日より、元号が従来の平成から令和に改められた。そのために最近は「平成最後の……」とか「令和で最初の……」といった事柄が話題になる。

 令和で最初に発売される新型車は、トヨタ・スープラか、マツダMAZDA3になりそうだ。販売店では「トヨタ・スープラの発売は2019年5月17日」と確定しているが、MAZDA3に関しては曖昧。4月下旬の時点で「5月中の発売は間違いないが、正確な日程はメーカーから知らされていない」という。

 MAZDA3では、スケジュールがいい加減な印象を受けるが、販売店ではすでに予約受注を3月から開始している。実質的に売っているのと同じ状況だから、本来は重要な「発売日」が意味を持たなくなった。

 納期も曖昧で「1.5リッターのガソリンエンジン搭載車は5月から納車できるが、2リッターのガソリンと1.8リッターのクリーンディーゼルターボは8月にズレ込む」という。さらに「2リッターのスカイアクティブX搭載車は年末になりそうだから、仮予約という形で受注している」とコメントした。

 以前は未発表の新型車は情報を一切明かさず、発表/発売日になって、TVのCMを含めて一気に公開した。発表/発売日には試乗車も用意され、仮になくても数日後には販売店に届いたから、新型車が世の中に与えるインパクトはとても大きかった。新型車の話題で持ち切りになったものだ。

 ところが今は、新型車の受注を発売から1カ月前、長ければ半年以上も前に開始する。スープラも発売は5月17日だが、受注の開始は3月上旬だった。試乗車や展示車のない状態で商談を行い、受注をするわけだ。

 ある販売店のセールスマンは「私がプロトタイプを試乗していればお客様に運転感覚や車内の雰囲気を説明できるが、乗っていないと何も申し上げられない。自信を持って販売できないのは心苦しい」と打ち明けた。そして試乗して納得してから買うと、納期が長引いてしまう。


渡辺陽一郎 WATANABE YOICHIRO

カーライフ・ジャーナリスト/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ポロ(2010年式)
趣味
13歳まで住んでいた関内駅近くの4階建てアパートでロケが行われた映画を集めること(夜霧よ今夜も有難う、霧笛が俺を呼んでいるなど)
好きな有名人
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