SUVやミニバン全盛時だからこそセダンが熱い! ボディサイズ別の推し車3選とその理由 (1/2ページ)

走りや静粛性などではセダンにアドバンテージあり

 ミニバンやSUVの普及前は、セダンが実用的なボディ形状とされた。ハードトップやクーペに比べて背が高く、車内も広かったためだ。

 ところが今は、コンパクトカーや軽自動車を含めて背の高い車種が増えて、実用重視のユーザーはセダンを選ばなくなった。

 その結果、セダンには以前とは違う新しい価値が求められている。天井の低いボディで重心が下がり、後席とトランクスペースの間に設けられた隔壁により、ボディ剛性を高めやすいことだ。低重心の高剛性ボディは、走行安定性、乗り心地、静粛性などを向上させる。セダンでは後席を畳んで自転車を積めないが、危険回避時を含めて安全性は高く、長距離を移動する時でも快適だ。つまりセダンは、背の高いミニバンなどに比べると、運転感覚が上質で安心感も高い。

 そして乗り心地が快適なら、ドライバーは疲れにくく、安全性を一層高められる。従って長距離を移動する機会の多いユーザーに、セダンはピッタリだ。ミニバンや軽自動車に比べると価格帯が高めで、競争も激しくないから、内装などにコスト低減の悪影響も受けにくい。

 そこでセダンで推奨度の高い車種を考えたい。セダンでは優れた安全性がメリットだから、安全装備の充実した車種を選ぶと、その価値を一層高められる。緊急自動ブレーキは、歩行者対応が大切で、エアバッグも充実させたい。

■コンパクトセダン:スバル・インプレッサ

 以上のような点から、比較的コンパクトな車種では、インプレッサG4を推奨する。全長は4625mm、全幅は1775mmだから3ナンバー車だが、セダンでは比較的コンパクトだ。水平基調のボディは視界も良く、運転しやすい。

「安全と快適」というセダンの価値を高めたことも注目される。インプレッサは、同車から採用が開始された比較的新しいプラットフォームを使うので、走行安定性と乗り心地のバランスが良い。安全装備のアイサイトは、歩行者や車両のほかに、自転車も検知して緊急自動ブレーキを作動させる。後方の並走車両を検知して警報する機能も設けた。サイド/カーテン/ニーエアバッグも標準装着している。

 居住性では、後席の頭上と足もとに余裕を持たせたから、4名で乗車しても快適だ。


渡辺陽一郎 WATANABE YOICHIRO

カーライフ・ジャーナリスト/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ポロ(2010年式)
趣味
13歳まで住んでいた関内駅近くの4階建てアパートでロケが行われた映画を集めること(夜霧よ今夜も有難う、霧笛が俺を呼んでいるなど)
好きな有名人
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