バス停でのスムースな乗り降りに貢献! ブリヂストンが専門家と共同開発するバス停バリアレス縁石が実用化 (1/2ページ)

バスの乗り降りがスムースになれば運行にもつながる

 ブリヂストンは、横浜国立大学・交通と都市研究室、公益社団法人・日本交通計画協会、株式会社アドヴァンスと共同で、「バス停バリアレス縁石」を開発。岡山県・岡山市の後楽園にあるバス停にて実用が開始されており、開発の経緯やどのような技術が盛り込まれているのか、技術説明会が開催された。

 まずはじめに、今の日本の都市交通に関して横浜国立大学の中村文彦教授は、「現在、自家用車に依存しすぎているのではないか? そして、バスはもっといろいろなことができると考えております。日本のバス停は、バスが停車した際に離れているため、乗り降りがしにくいです。もっとバス停に近づいて停車できれば、よりスムースに乗り降りができ、停車時間の節約も可能になります。そうなれば、バスの運用ももっとスムースになるはずです」と、日本のバス事情について解説。

バス停

 中村教授によると、すでに海外ではバスがギリギリまでバス停に寄せられるような縁石の工夫が見られるという。そこで、欧州のバス停で採用されているカッセルカーブプラスという縁石を取り寄せ、横浜国立大学内に試験的に設置。バス会社にも協力してもらい実験したところ、従来の縁石はバス停とバスの距離は平均約40cmだったが、輸入した縁石では平均約10cm以下まで寄せることが可能になったという。バス停

 しかし、このままではバスのドア形状によっては開閉時に縁石に接触してしまったり、タイヤが縁石に当たってしまうことによることのダメージといった課題も見つかった。そのため、国産版の縁石開発が必要だという結論に至ったという。

 また、公益社団法人 日本交通計画協会の萩原 岳さんは「現在の状況では、場所によっては乗降の際に路面へ一度降りなければならないということもある。バリアフリーのためにということでノンステップバスの普及も進んでいるが、車両自体がノンステップになっていても乗り降りのバス停がバスと正着して段差がなくならなければ、本当のバリアフリーとは言えないのでは?」とコメント。バス停

 参考として取り上げたフランスでは、公共交通機関のユニバーサルデザイン化が法制度で定められており、バス停に関してはバスとバス停の水平方向ならびに垂直方向の離隔は50mm以内に収めようという目標がある。これが実現されているため、ベビーカーや車いすも、そのままスムースに乗り降りが可能になっているという。これに対応するため、ヨーロッパではバリアレス縁石の採用が進んでおり、バスの正着は一般化している。バス停


新着情報