どうせ減るから……は問題あり? クルマの「タイヤ空気圧」を多めに入れる弊害とは (1/2ページ)

乗車人数によって指定空気圧が変わるクルマも存在

 クルマの性能を左右する最大の要素はタイヤだ。どんなにパワーがあるエンジンでもタイヤのグリップ性能を超えてしまえば空転するばかりで無駄になってしまうし、コーナリング性能においてもタイヤの影響はもっとも大きい。サスペンションチューニングといっても、本質的にはまずタイヤを決めて、その性能を引き出せるようセットアップしていくものだ。

 では、タイヤはサイズや銘柄が同一であれば同じ性能かといえばそうともいえない。空気圧の違いによってタイヤ自体の性能は変わってくる。サスペンション全体のセッティングにおいてもタイヤの空気圧は重要である。

 そこまでシビアなレベルではなくとも、少なくとも自動車メーカーが指定する規定の空気圧を保つことは、設計値どおりのパフォーマンスを引き出すための最低条件といえる。そうした「指定空気圧」は、運転席のドアを開けたところやフューエルリッドの裏などに記されており、こまめに確認すべき重要な整備項目といえる。

 とはいえ、タイヤに空気を入れるというのは意外に面倒なもので、燃料給油のタイミングで確認するくらいというユーザーがほとんどだろう。理想をいえば週に1回は確認したいが、通常は月に1回程度のエアチェックで規定の範囲内に収まることが多い。

 また、指定空気圧というのはクルマによって異なっている。同じタイヤサイズでもミニバンでは240kPa、コンパクトカーでは220kPaとなっているケースもある。輸入車のなかには乗車人数によって指定空気圧が変わってくることもある。こうした違いは車重などに由来するもので、それなりにシビアに決められているのだ。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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