見つけたらタクシーマニア感涙もの! いまはほとんど見かけないタクシー専用車両5選 (1/2ページ)

セダンタイプのタクシー仕様もバリエーションが豊富だった

 筆者がクルマ好きとなり、クルマ関係のメディアで仕事をするようになった、その原点はタクシーである。我が家がまだマイカーを持たなかった子どものころ、祖母の家を訪れる時、そして帰る時には、最寄り駅と祖母の家の間の移動のため、よくタクシーを利用していた。

 当時のタクシーはコラムシフトタイプのマニュアルミッションが当たり前で、フロントシートもベンチシートを採用しており、筆者は後席の真ん中に座り、フロントベンチシートのシートバックのセンター部にまだに“しがみついて(結局運転中は後席には座らず立っていた)”運転士さんの操作風景を“ガン見”していた。

 このような幼少期を過ごしたこともあり、社会人となったいまでも仕事でだけでなくプライベートでも、よくタクシーを利用している。懐具合がけっして良いわけではないが、乗車中の運転士さんとの雑談も好きなので、気分転換のひとつと考えるようにしている。

 そこで、ここでは筆者がちょっと懐かしいころに街を走っていた、心に残るタクシー車両を紹介していくことにする。

1)トヨタ・コロナ

 まずはトヨタ・コロナ・タクシー。FR最後となる7代目コロナセダンがベースとなっており、とくに1986年に大規模なマイナーチェンジを行った最終型では、Cピラーを立たせるなど、外板のほとんどを一新し、よりタクシー専用車として対応させたものとなっていた。筆者の生活圏内では小型タクシーというものはほぼ走っていなかったので、なかなか乗る機会がなかった。

 しかし、ある日名古屋へ出張した時に、名古屋駅前の小型タクシー乗り場で先頭から2台後ろぐらいにFRコロナ・タクシーの最終型が並んでいるのを発見。たまたま乗り場は空いていて列は出来ていなかったので、近くでFRコロナタクシーが先頭にくるのを待って、宿泊先まで見事に乗ることができなかった。

 マニュアルコラムシフトだったら大感激だったのだが、残念ながらマニュアルフロアシフト。ただ、念願のFRコロナ・タクシー(しかも最終型)に乗ることができた感動はいまも鮮明に記憶に残っている。

2)マツダ・ルーチェ セダン

 続いては1986年に登場した5代目マツダ・ルーチェ・セダンベースのタクシー車両。デビュー当時は“メルセデスベンツに似ている”などともいわれていたモデルである。タクシー仕様はベースの一般乗用仕様に設定のないコラムシフト(しかもMT)があり、タコグラフや料金メーターの取り付けスペース確保もあったので、インパネが専用デザインとなっていた。

 ある日夜遅くまで飲み歩き、最寄り駅ではなく、最寄りのターミナル駅までしか電車でたどり着けずに、そこからタクシーで自宅に帰るべく、タクシー乗り場で順番を待っていると、運よくルーチェタクシー(しかも無塗装の黒い樹脂バンパーのついたDX)が順番にまわってきた時は酔いも一気にさめるほど感動した。

 乗ったタクシーはマニュアルコラムシフトでベンチシートを採用。当時でもマツダの市販乗用車でこの組み合わせはなかったので、珍しさも手伝い、童心に帰ったように後席から運転風景を凝視してしまった。当時のクラウンタクシーもドアが薄かったが、ルーチェタクシーの肌で感じたドアの薄さはいまもその感触が残っている。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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2019年式トヨタ・カローラ セダン S
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乗りバス(路線バスに乗って小旅行すること)
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渡 哲也(団長)、石原裕次郎(課長) ※故人となりますがいまも大ファンです(西部警察の聖地巡りもひとりで楽しんでおります)

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