日本市場は見捨てられた? 輸入車がわずか4ブランドしか東京モーターショー2019に出展しないワケ (1/2ページ)

出展する国を限定すると公言するメーカーも

 2019年10月24日(木)に開幕する第46回東京モーターショー(TMS)。その出展者から輸入車がほとんど消えてしまったというのが話題だ。7月30日時点で、出展者リストに載っている海外ブランド(乗用車)は、ルノー、メルセデス・ベンツ、スマート、アルピナの4ブランド(3社)しかない。こうした状況を受けて、もはや東京モーターショーは“オワコン”と言われている。

 もっとも、輸入車が絶好調に売れているわけでもない。JAIA日本自動車輸入組合の統計情報によると、2019年上半期の外国メーカーの乗用車新規登録台数は前年比98.2%の14万9010台に留まっている。ジャーマン4と呼ばれるブランドごとに前年同期比を見ても、メルセデス・ベンツは97.7%、フォルクスワーゲンは92.4%、BMWは100.0%、アウディは80.5%となっている。フォルクスワーゲン系ブランドが日本市場に多くを期待しないというマインドになるのは不思議ではない。

 ちなみにフランス系ブランドではPSAではプジョーが103.4%、シトロエンが106.6%、DSが121.3%。ルノーは103.9%と軒並み伸びているが、いかんせん絶対数は少なめだ。

 そうしたこともあって『輸入車ブランドにとっては、ほかの海外ショーと比べて東京モーターショーの優先順位が下がった』という声も聞こえてくる。日本の自動車市場がシュリンクしていることから成長が見込めず、そこにリソースを投じる必要性を感じないということだ。そうした判断は、おそらく間違ってはいない。ただし、それは東京に限った話ではないだろう。

 たとえば、ボルボカーズはヨーロッパ、北米、アジアでそれぞれひとつだけショーを選んで出展する計画としていることを公言している。モーターショーに出ることが最大のブランディングだった時代は終わっているということだ。実際、いまやモーターショーでコンセプトカーやニューモデルを世界初公開するよりもティザーサイトやSNSを使って展開したほうが、ターゲットユーザーにも届きやすいし、世界に同時公開することができる。かつてはマス向けのイベントだったモーターショーだが、いまやSNSのほうが多くの人に届くようになっている。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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スズキ・エブリイバン(DA17V・4型)/ホンダCBR1000RR-R FIREBLADE SP(SC82)
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