イマドキの賢いATでも手動変速は必要? オートマ車のマニュアルモードの使い道とは (1/2ページ)

公道でも路面状況によってはMTモードが役に立つ

 クルマのエンジンというのは、あるところまでは回転数が上昇するにしたがってトルクとパワーが増していき、ある程度の回転数に達するとトルクもパワーも下降していく定めにある。そのため、効率よく“美味しい”回転数を維持できるように変速機がついていて、その変速を自動的に制御して、つねに効率のいいギヤで走れるようにしたのが、オートマチックトランスミッション、いわゆるAT(オートマ)だ。

 したがって、出来のいいATであれば、前進中のギヤのセレクトは全部AT任せにするのが王道。にもかかわらず、スポーツモデルから高級車、そして軽自動車まで、多くのAT車にマニュアルモードがついているのはなぜなのか。

 前述のとおり、デキのいいATならマニュアルモードは不要なのだが、どうもATの選んだギヤでは好ましくない……と感じるシチュエーションが訪れたら、そのときはマニュアルモードの出番となる。たとえば、積極的に低いギヤで走りたいとき。

 通常のATは燃費との兼ね合いもあり、できるだけ高いギヤで走り続けようとする傾向がある。しかし、長い下り坂などで、エンジンブレーキを効かせたいときは、マニュアルモードで低いギヤを選んだほうが、ブレーキを踏む回数も減って走らせやすい。

 また雪道や滑りやすい路面でも、低いギヤのほうが走りやすいときがある。もっとも「B」レンジがついているAT車なら、マニュアルモードでシフトダウンするより、「B」レンジを選んだほうがベターといえるケースも多い。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

愛車
日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)
趣味
-
好きな有名人
-

新着情報