クルマ好きなら死ぬまでに1度は走れ! レーシングドライバーが推すドイツのドライブルート3選 (2/2ページ)

ドイツ車の文化や歴史に触れたりサーキット巡りもオススメ

2)シュツットガルト

 次のおすすめルートはフランクフルトからシュツットガルトを目指すルートだ。シュツットガルト市はフランクフルトから南200kmほどに位置する。そこはメルセデス・ベンツ社やポルシェ社が本拠を構える地であり、両社の歴史的なミュージアムが建造されている。

 フランクフルトを出発し44号線アウトバーンを南進。市街地域が多いので速度無制限区間はあまり多くないが、途中にハイデルベルクの古城と大学が有名な歴史地区に立ち寄れる。

 この周辺はマンハイムを基点とした「古城街道」として指定されたルートでもあり、速度は出せないが観光には最高のロケーションが繋がる。その直ぐ先にはアウトバーンから見える位置にホッケンハイムリンクサーキットがあり、ここも見ておかなければならないだろう。

 シュツットガルトにも古城とショッピング街があり観光には事欠かない。メルセデス・ベンツミュージアムとポルシェ・ミュージアムはクルマ好きなら1日過ごせる規模で到着日と翌日に分けて訪問するのをおすすめする。

  

 帰路はシュツットガルトからポルシェの生産拠点である「ツッフェンハウゼン」、同じくポルシェの開発拠点である「ヴァイザッハ」を経由してフランクフルトに戻る。

 ツッフェンハウゼンの生産工場は見学が可能だが研究開発の聖地であるヴァイザッハは見学ができない。しかし周辺のショップやレストランでは開発車両を見かけることもしばしば。ポルシェ好きには立ち寄るだけでも価値がある場所といえるだろう。

 またシュツットガルト西部の「アファルターバッハ」にはメルセデス・AMG社の生産拠点り、往路でも帰路でもルートに組み入れ可能なロケーションにある。

3)スパ・フランコルシャン

 3番目のルートはベルギーにある国際的なサーキットである「スパ・フランコルシャン」を目指すルート。「サーキット・ド・スパーフランコルシャン(以下スパ)」は毎年F1ベルギー・グランプリを開催していてオールージュをはじめとした難しいコーナーから「難攻不落」のサーキットとして世界的に知られている。つい先頃にもこのオールージュで若いレーシングドライバーが他界する悲惨な事故が起きてしまったが、それでも多くの伝説を築いたスパの名声は人々を惹き付けて止まない。

 フランクフルトからは43号線からライン側添いに進む9号線に乗り、49号線、259号線へと乗り継いでいきベルギー国境を超え421号を進んで向かう。フランクフルトから250kmほど北西に位置し順調なら4時間もかからず到着できる。

 じつはニュルブルクリンク近郊を通過するルートでもあり、多くの場合、ニュルから足を伸ばしてスパを訪れるケースが多い。時間と日程に余裕があるなら是非二つのサーキット巡りに挑戦してもらいたい。スパにもレースレンタカーやサーキットタクシーといったシステムがあり、多くの会社ではニュルとスパを組み合わせてレンタルするシステムも完備されている。

 今回紹介したのはいずれも僕自身が走ってきたルートであり、ドライバー人生に大きな感銘を与えてくれた道でもある。どのルートも飛行機代込みで2~3泊でスケジュールすれば50万円くらいから体験できるだろう。自分のクルマ人生の糧とするには決して高くない投資だと思う。


中谷明彦 NAKAYA AKIHIKO

レーシングドライバー/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

中谷明彦
愛車
マツダCX-5 AWD
趣味
海外巡り
好きな有名人
クリント・イーストウッド、ニキ・ラウダ

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