最近クルマの3ナンバー化が顕著だが本当は5ナンバーがいい? 日本のユーザーの「本音」を販売台数から読む (1/2ページ)

3ナンバーとなった新型カローラは市場に受け入れられている

 トヨタ・カローラまで全幅が1.7mを超えるボディとなった。これに対して異論反論があるようだが、結果として新型カローラは売れに売れている。実際、2019年10月の販売台数は1万1190台(自販連調べ)で、登録車として唯一の5桁セールスとなり、久しぶりのトップとなっているほどだ。もちろん新車効果と、周囲の消費税増税による冷え込みといった状況も無視できないが、カローラは市場に受け入れられている。

 ひとまず、スタートの状況を見る限り、市場は3ナンバーサイズのボディになったということで拒絶反応を示していないといえる。そもそも、モデルチェンジ前のカローラはグローバル仕様が大きく成長するなかで、国内向けは5ナンバーサイズにこだわったばかりにトヨタ・ヴィッツ系のBセグメントプラットフォームを使っていた。

 カローラといえばCセグメントのモデルであり、ボディサイズのためにBセグメントの骨格を使うというのは本末転倒という面もある。3ナンバーサイズのボディ(それでもグローバル仕様よりは狭い日本専用ボディだ)になったといっても、しっかりと最新のCセグメントプラットフォームを使ったフルモデルチェンジが評価されるのは当然といえよう。

 自動車メーカーが5ナンバーサイズのクルマを減らしているから小型乗用車のラインアップが減っているのか、ユーザーが5ナンバーであることにそれほどこだわらないから普通乗用車が増えているのか、因果はわからないが、ともかく日本市場において5ナンバーサイズにこだわらなくともビジネスは成立するというのは事実だろう。

 もっとも市場シェアの変遷をみると、小型乗用車にこだわるユーザーが軽自動車に流れたという部分も見て取れる。なお、商用1BOXの世界においては4ナンバー(大きさとしては5ナンバーサイズと同じ)にこだわるユーザーは少なくない。それがトヨタ・ハイエースと日産NV350キャラバンの熾烈な競争につながっている。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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