中古だから新車より安いとは限らない! 「未使用中古車」が多数発生する今どきディーラー事情 (1/3ページ)

未使用状態が必ずしも新車よりお買い得というわけではない

 かつては「新古車」と呼ばれ、キャンセル車両などわけあり中古車のイメージが強かったが、新古車という表現がまぎらわしいということで、使えなくなり「未使用中古車」という新たな呼び名が定着しようとした時には、お行儀の悪い売り方とも言われていた。なぜかというと、もともと軽自動車が中心であったのだが、薄利多売の軽自動車ゆえに工場稼働率の維持や、販売ランキングで上位に入るための販売台数の上積みなどのために、おもに未登録(軽は届け出/未使用)状態でディーラーにおいて在庫となっていた車両を、ディーラー名義などで自社登録(届け出)し、そのまま未使用の状態で中古車市場に流通させていたからだ。

 いまでは、未使用中古車という表現から、登録済み(軽自動車は届け出済み)未使用車(あるいは未使用中古車)という表現になり、クルマのひとつの流通形態として広く認知されるようになっている。

 未使用状態でナンバープレートだけついた中古車なので、新車で購入するより圧倒的に買い得かといえば、そうでもない。未使用中古車は自社登録(届け出)したのち、半年ほど寝かしてから、中古車展示場に並ぶのが一般的。登録(届け出)直後に店頭に並べても、いまどきは軽自動車でも新車購入で総額での20万円引きも珍しくないので、新車で買ったほうが買い得になるケースも出てくる。

 そこで半年ほど寝かしてある程度減価償却させた段階で、値ごろ感のある値付け(新車を限界まで値引かせて購入するより若干買い得程度)で店頭に並ばせるのである。それでも新車購入と比べてなかなか際立った買い得感が高まらないので、ここ最近は、ディーラー試乗車や代車などの社有車としてしばらく(半年ほど)使用し、走行距離が数千kmほどとなる、ちょこっと使用中古車というものの存在も珍しくなくない。また、レンタカーやカーシェアリング車両として短期間使用してから、中古車として再販される元フリート中古車も目立ってきている。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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