お金があっても高級装備のほうがいいとは限らない? 選べるクルマの装備6つのメリット・デメリット (2/2ページ)

上級グレードが良いとは限らない!

4)本革シートと布シート

 クルマによっては最上級グレードに本革シートが標準装備されていたり、本革シートを注文装備できるグレードがあったりする。確かに、本革シートは高級感があり、見た目は豪華。同じクルマでも、一段と高級感が出てくる。ただし、人によっては布シートのほうがかけ心地がよく感じることもあるから、選択は慎重に。その理由は、本革シートゆえの表皮の張りの強さ(硬さ)。とくに体重が軽めの人は、お尻の沈み込み量が少なくなり、落ち着き感、ホールド感に欠けるかけ心地になったりするのだ(体重65kgもボクでも)。

 ボルボなどでも、上級グレードの高級感あふれる本革シートより、ベーシックグレードの布シートのほうがしっくりしたかけ心地になり、乗り心地までよく感じられたりするのである。

 本革シートを選択しようか悩んでいる時は、できれば布シート、本革シートの両方に実際に座って、運転してみるといい。メーカーが「できるだけかけ心地に差がないようにしました」という布と本革シートでも、かけ心地はけっこう違うものなのである。

5)ベンチレーションシートの有無

 暑がりの人にとって、プリウスやボルボなどに用意される、本革シートのベンチレーション機能は、絶対にお薦めである。真夏、高温になった車内でも、エアコンが効く前に、本革シートのパンチング部分のベンチレーション機能によって、瞬時に背中、腰まわり、太股裏などがスースーして体感温度が一気に下がり、快適そのもの。背中の汗も引き、ベタベタせず、上着もシワになりにくくなったりする。

 ボルボの場合は、布シートと本革シートで、体重によってかけ心地に差があるように感じられるのでベンチレーション機能を選ぶかどうかで迷うところだが、プリウスの本革シートはそれほど表皮の張りが強くないので、布シートとのかけ心地に差が少なく、体重を気にせずベンチレーション機能の装着グレードを選ぶ価値は大いにある。

6)前席マッサージ機能の有無

 ロングドライブの機会が多い人には、前席マッサージ機能付きのクルマ、高額になっても装着グレードを選ぶといい。ボルボV60を例に挙げると、標準的なMomentumグレードには付かず、上級のInscriptionグレードに本革シートとセットで装備される。けっこう本格的なマッサージ機能で、クルマから降りたくなくなるほど快適なリラクセーション効果が得られるのだ。ただ、体重の軽い人にとっては、Momentumの布シートのほうが座り心地よく、快適に感じられたりするので、悩ましい……。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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