【購入後に後悔しても遅い!】新車を買う前にディーラー試乗で見なければならないポイントとは (2/2ページ)

自分の欲しいグレードや駆動方式に可能ならば試乗すること!

 試乗シーンでは、ショールームでは上級グレードの2WD車を用意していることがほとんど。上級グレードなのは、なにかと印象が良くなるからだ。だが、欲しいグレードとエンジン、タイヤサイズ、装備などが異なる際は要注意。納車されて、試乗したクルマと加速感、乗り心地などの印象がまるで違う……なんていうこともありうるのだ。

 駆動方式が選べ、試乗車は2WDでも買うのは4WDといった場合はとくに慎重に。クルマにもよるが、2WDに比べて4WDの乗り心地が劣ることもある(一部、逆もあるが)。

 ゆえに、理想は、購入する仕様になるべく近いグレード&同駆動方式の試乗車を試してみることだ(ほかのお店から試乗車を取り寄せてもらうか、希望の仕様が置いてあるショールームに出向いてでも!)。どうしても希望の仕様の試乗車がなければ、自動車専門誌、専門WEBサイトの識者の試乗記を参考にするとよい。意外に上級グレードでない仕様のほうが評価が高かったり(その逆もありき)、同車種でもエンジンの排気量の違いによって、走行性能が格段に違うなんてこともあり得るのだ。

 もちろん、カタログでしか見たことがないボディカラーを選ぶのも絶対にやめたほうがいい。工場にあるクルマでもいいから、ボディカラーの実車確認は不可欠。新車を買って、あとでしっくりこない(後悔する)原因のひとつが、ボディカラー選びの失敗でもあるのだ。

 試乗では、できるだけ長い距離、さまざまな環境(狭い道などを含む。高速走行の機会が多いなら、高速道路)を走らせてもらうこと。エコやスポーツなどのドライブモードがあれば、それぞれを体験。駐車もセールスマンにまかせず、自身でトライしてみよう。その際、リヤカメラやビューモニターの機能もチェックしたい。扱いやすさ、運転のしやすさ、バックのしやすさなどまで確認すべきなのである。そのため、試乗が混んでいる日時を避けてショールームに出掛けるのがよいだろう。

 できればセールスマンの運転で、助手席、後席(ミニバンなら全列)にも乗せてもらうといい。運転席と印象が大きく違う(いい意味でも、悪い意味でも)クルマもあるのだ。ミニバンの3列目席は、車種によって乗降性や快適性の差が大きいので、とくに要チェックである。

 そこまでしても、100%満足できる新車を手に入れることはなかなか(予算もあって)難しいとは思うが、後悔しない新車購入の決め手は、何といっても事前の下調べをいかに多く行うかにかかっている。そうすれば、できれば買うべきではない仕様や、すぐにモデルチェンジしてしまうクルマを、そうとは知らずにつかまされることもない。高い買い物だけに、勢いに押されず時間をかけて、じっくりと慎重に選ぶのが正解である。

 つまり、ショールームの商談の場所では、頭のなかに欲しいクルマ、仕様の全容が入っていることが肝心。そこがあいまいだと、あとで後悔するかもしれない、高い買い物になる可能性がある。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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