【明るく美しく長寿命なのになぜフルLED化しない?】1台のクルマにLEDと電球の場所が混在するワケ (2/2ページ)

量産化が進んで品質も安定してコストも下がれば標準化が進む

 テールランプで比較してみると、一般的な電球なら1個150~200円ぐらいとかなり安価。しかも滅多に切れることがなく、消費電力もたかが知れている。それに対し、LEDは半導体なので、1個1000円前後とかなり高価。LEDの光は濁りがなく、高級感があるという特徴もあるが、このコスト差を埋める魅力があるかというとかなり疑問……。また、ウインカーに関しては、ハイフラッシャー化を防止するのに、専用リレーなども必要になる。

 これらのコストはすべて車両価格に跳ね返ってくるので、「ヘッドライトも含め、フルLED化がこのクルマの特徴なんですが、ライバル車よりも2万円高いんです」といって、ユーザーが選んでくれるかどうかが大きな問題。高級車なら、数万円の違いで上品なLEDランプになるのなら、それはむしろ商品力につながるだろうが、大衆車ではフルLEDが即購買力につながるとは思えない。

 社外品ではもっと安いLEDもあるが、安価なものは明るさが均一でなかったり、品質面でイマイチというのもあるので、信頼性の高いもの、保安基準に適合するもの、なによりメーカーの納入基準に見合うLEDとなると、電球よりも価格はかなり高くつく。

 もっと量産化が進み、明るさや色の均一性が増し、コストが下がればフルLED化も進むだろうが、そうなるにはもう少し時間がかかりそうだ。

 一方で、電球からLEDへの交換はわりと簡単なので、気になる人は社外のLEDを購入し、カスタマイズを楽しんでみよう。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

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日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)
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