この記事をまとめると
■現代のMTの「ガリガリッ」という音はシンクロメッシュ機構から出ている
■シンクロ機構が同期していればギヤは気持ちよく入り、同期が不完全だとギヤ鳴りが出る
■ギヤ鳴りを繰り返すとシンクロが摩耗てオーバーホールするしかなくなる
シフトミスをしたことを教えてくれるアラート的な役割を果たす
MT車の運転中、シフトアップあるいはシフトダウンするときに、「ガリガリッ」と嫌な音をさせてしまったことはないだろうか。
これがいわゆる「ギヤ鳴り」で、クラッチの踏み込みが浅く十分クラッチが切れていないときにシフトレバーを動かそうとしたときや、シフト操作中にクラッチペダルを離してしまったときなどに生じる音。いわばシフトミスしたことを知らせてくれるアラートでもある。
いまのクルマのマニュアル・トランスミッションは、常時かみ合い式のシンクロ・メッシュ・タイプなので、「ギヤ鳴り」といっても、ギヤとギヤが噛み合うときに音が出るわけではなく、シンクロメッシュ機構から出る音のことをいう。シンクロメッシュ機構は、シフトレバーで選択したギヤをシャフトに固定するときに、シャフトとギヤの回転を同期させるための仕組みだ。
少々ややこしくなるが、このシンクロの仕組みをざっと説明しておこう。