クルマの「革素材」といってもさまざま! シートやステアリングでよく聞く4つの主流な革とその中身とは (2/2ページ)

世界の高級車がこぞってアルカンターラを採用!

顔料仕上げ

 一番身近なレザー製品。アニリンレザーやセミアニリンレザーよりも安価な革を使って、多少傷がついた革でも表皮を削って、ウレタン系の顔料でコーティングし、あとから型を押し当てて模様をつけたもの。

 アニリンとセミアニリンは、釜の中で染めて着色するのに対し、顔料仕上げは、表面を顔料で覆うので、色や艶は自由自在で、耐性は強いが、表面は硬く、肌触りや風合いは、革というより塗装の風合いになってしまう……。

 またエイジング=「革の育ち」も楽しめないが、安価で、均一というメリットがある。

アルカンターラ

 もうひとつ、アルカンターラという高級素材もある。これはスウェード調の合成皮革のひとつだが、日本の東レが開発した、世界に誇る夢の素材だ。アルカンターラは、簡単にいうとポリエステルの不織布だが、質感がバックスキンのように柔らかくて滑りにくく、やさしい手触りで、それでいて耐久性が抜群。本革と違って通気性もよく、汚れにも強い。保温性にも優れ、難燃性が高いというのもクルマの素材に向いている。

 デメリットは製造コストが高いことだが、ロールスロイスやフェラーリなど、世界の高級車がこぞってアルカンターラを採用している。

 以前はエクセーヌ(日本)、ウルトラスウェード(アメリカ)、アルカンターラ(ヨーロッパ)と地域によって別々の商標で呼ばれていたが、2003年以降、自動車用の内装素材の名称はアルカンターラに統一された。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

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日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)
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