自動車ファンを狂喜乱舞させた「これぞ技術の日産」を感じさせる歴史的名車7選 (2/2ページ)

レースでの輝かしい記録をもつ伝説のクルマも存在!

4)スカイラインGT-R(GC10 1969年)

 “羊の皮をかぶった狼”、レースでの49連勝の記録を持ち、最強のGTといわれた第一世代のGT-R。その心臓部に収まったのは、レーシングマシン=R380のGR8エンジンのデ・チューン版、S20エンジン。

 このS20は国内初の4バルブ、V型弁配置、クロスフローポートを持つ、多球形式燃焼室のアルミシリンダーヘッドを採用。

 また国産車で初めて、フル・トランジスタ式点火装置を採用し、低速時から高速時まで安定した火花が得られるようになっていた。

 もともとソレックスキャブで160馬力という仕様だったが、レースでは最終的にルーカス製のフューエルインジェクションを使って、250馬力にまでチューニングされた。

5)セドリック(430型 1979年)

 5代目セドリック=430型は、日本初のターボエンジン (L20ET) 搭載車。(国内では乗用車初の直列6気筒ディーゼルエンジン=LD28の搭載車もこのセドリック)。

 この国産最初のターボエンジン、L20ETは、海外のスポーツカーのようにハイパワー化を目指したものではなく、排出ガス清浄化、燃費向上、低騒音を達成しながら出力アップするのが目的で、今日のダウンサイジングターボエンジンの先駆けのようなユニット!

 ターボの力を借りて、ファイナルギヤ比を下げて、ハイギヤードとし、2リッターながら、3リッター級の大排気量エンジンと同等の走りを目指したエンジンだった。

6)セドリック(Y30 1983年/Y31 1987年/Y34 1999年)

 日本初のV型6気筒エンジン(VG型)を搭載したのがY30セドリック。そして、世界初の前進5段ギアを採用したフルレンジ電子制御オートマチックトランスミッション(ジヤトコ製)を採用したのが、Y31セドリックだった。

 さらにY34セドリックでは、世界初のエクストロイドCVTを搭載。一般的なベルト式CVTではなく、ディスクとパワーローラーにより、動力を伝達するCVTで、FRの大排気量(3リッターターボエンジン)の大トルクに対応できるCVTを完成させた。

 滑らかな加速感と素早いレスポンスが特徴で、従来のオートマチックトランスミッションに対し、約10%も燃費が向上。

7)スカイラインGT-R(BNR32 1989年)

 グループAレースに勝つために、徹底的にレギュレーションに合致する最速のクルマを目指して開発されたのが、16年ぶりに復活したGT-R=R32だった。

 2.6リッターのツインターボエンジン、RB56DETTは、レース用のチューニングで600馬力以上のパワーを誇り、トルクスプリット4WDのアテーサE-TSが、そのパワーを無駄なく路面に伝え、なおかつ4WDながらハンドリングへの悪影響を最小に抑えたという意味で、画期的なシャシーとなった。

 グループAでは、デビュー以来4年間、29勝無敗。海外でも91年のスパ24時間レースで、2位を20周引き離して総合優勝に輝いている。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

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日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)
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