新型フィットはスイッチ式から旧来のレバー式へ! 音声入力の発達が流れを変える最近のシフト事情 (1/2ページ)

ボタン式のATセレクターは古くから存在

 トヨタ・プリウスのホームポジションに戻るタイプのシフト操作系は常に賛否あるところだが、ハイブリッドカーに限らず、最近のオートマチックトランスミッションの操作系は多様になっている。かつてのようなシフトレバータイプが主流ではあるが、メルセデスはコラムに置かれた小さなレバーで操作するものに統一されているし、始動すると円筒状のシフトダイヤルがせり上がってくるジャガーも個性的だ。ランボルギーニなどはシフトレバーがなく、パドルシフトを操作してDレンジに入れるといった具合だ(リバースは専用のレバーがある)。

 ハイブリッドだろうが、DCTだろうが、ステップATだろうが、このようにシフト操作系の自由度が上がったのは、物理的につながっている必要がなくなったからだ。電子制御のトランスミッションはバイワイヤといって電気信号でコントロールできる。そのためトランスミッションと操作系を物理的につなぐ必要がなく、どこにでもセレクターをレイアウトできるようになった。形状もレバーではなく、スイッチやボタンでよくなった。

 ただし、ボタン式のATセレクターというのは新しいものではない。1950年代のアメリカ車では、ぼちぼち見ることができる。代表的なのはクライスラー・インペリアルだろう。日本ではウルトラセブンに出てきた劇中車「ポインター号」のベース車両として知られているインペリアルのATセレクターはメーター脇に置かれたボタンで操作するというデザインになっていた。マニアであれば既知の情報だろうが、それほどボタンATセレクターの歴史は古い。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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