いま増えているクルマの「グラファイト」ワイパーゴムって何?

作動時のビビリ発生を抑制する効果がある

 ワイパーは消耗品だけに定期交換部品なのだが、ポイントさえわかればDIYでも交換できるので、自ら買いに行ったことがある人も多いのではないだろうか。選ぶポイントは基本的に長さで、あとは撥水タイプというのがある程度だ。

 そのとき、最近よく見かけるようになってきたのが、グラファイトの文字。「グラファイトワイパー」や「グラファイト付き」といった感じで、なにやら効きそうな感じはするものの、はっきりと説明しているものも少ないことからなんとなく買うというのが実際だったりする。

 このグラファイトというのはどうしてワイパーに付けられているのだろうか。グラファイトとは黒鉛のことで、鉛筆の芯にも含まれている。特徴としては摩擦係数が高温時や高負荷時でも安定してとても少ないことで、モリブデンに近いものと思っていい。

 ちなみに油分を嫌う、自宅の玄関鍵や物理的なクルマの鍵のキーシリンダーの潤滑には、潤滑スプレーを使用するのは不可で、粉を使うのが基本。この際、鉛筆の芯を削って作った粉末が使えるのだが、その理由は潤滑性能があるからだ。

 では、なぜワイパーのゴムにグラファイトが付いている(まぶされている)かというと、作動時のビビリ音解消が最大の目的。とくに初期馴染みの段階で効果発揮を目的としている。また、ガラスコーティングの普及とともに、ビビりの発生が多くなってきているが、この問題への対処というのもある。さらに滑りやすくすることで、ワイパー作動によるコーティング被膜の剥がれも最大限に防止するという効果もある。

 グラファイトはコストも安いことから、ワイパーの価格も高くはないので、もしあればオススメ。ただ表面に付着しているだけなので、使っているうちに落ちてしまい、効果は発揮されなくなるので悪しからずだ。


近藤暁史 KONDO AKIHUMI

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