自治体すら悩ますいきすぎた「自粛警察」! 絶対許せぬ「他県ナンバー狩り」の防御策とは (1/2ページ)

徳島県・三好市役所はいたずら防止の表示デザインを作成

 すでに報道されているとおり、政府は2020年5月14日に、全国47都道府県のうち39県で新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言を解除した。これはある面では吉報といえるが、一方で解除された県と等でない地域の差別や分断が進む心配もある。

 とくに地方で、新型コロナウイルスの感染者が少ない地域で、県外ナンバーのクルマへの「あおり運転」「クルマに傷をつける」「暴言を吐く」「投石」などの嫌がらせが目立っており、徳島県の飯泉知事と徳島市の内藤市長が共同で記者会見を開き、「県外ナンバーのクルマに対して敵意をむき出しにすることはやめてほしい。差別や分断は容認できない」とコメントしている。

 言うまでもなく、あおり運転、誹謗中傷、暴言、投石、クルマへのいたずらは、すべて犯罪行為。『自粛警察』いや『自粛テロリスト』の行き過ぎた行為こそ、咎められるべきだが、現実的にこれらの嫌がらせが少なからずある以上、何か対策を講じる必要がある。

 具体的には次の3つが考えられる。

1)地元住民であることをステッカーなどでアピールする

 徳島県の三好市役所には、実際に嫌がらせを受けたという声も届いていて、「徳島県内在住者です」と書かれた表示デザイン(A4サイズ)を製作。

 三好市役所に取材すると、「はじめはプリントアウトできるようにホームページやフェイスブックなどで公開していたが、ツイッターではこれを悪用して遊びに行けるなどという悪意のあるコメントもあり、本来の意図していないことに使われてしまうのは良くないため、ホームページ上からは1日で削除した」とのこと。

 現在は、本当に困っている人にだけ渡すために市役所窓口と支所5つでの配布に切り替え、5月15日時点で89件配布された。

 市の担当者は「県外来訪者などを差別する意図はないということを主張したい」と語ってくれた。県外ナンバーのクルマに嫌がらせをする輩も、「県内在住者表示」を悪用するものも、どちらもモラルが低すぎて猛省してもらいたいところだが、同じようなグッズを自作したり、市販のステッカーやマグネットシールで地元住民であることを表示するのはひとつの手だ。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

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