大切な愛車を任せるならドッチが正解? 「認証工場」と「指定工場」違いとは (2/2ページ)

車検ステッカーの交付タイミング以外に大きな差はない

 結論からいえば、基本的にはどちらでも変わらない。いずれも分解整備は可能であるし、メンテナンスという点では作業内容に違いはないからだ。工員数における整備士資格保有者の割合について、認証工場は1名以上かつ保有割合1/4以上、指定工場では2名以上かつ保有割合1/3以上となっているが、整備の腕を左右するほどの違いとはいえない。

 あえて両者の違いを挙げるならば、車検を通したときに認証工場では車検場に持ち込んでいるのですぐに新しい車検ステッカー(検査標章)が貼られているが、指定工場の場合は「保安基準適合標章」といって車検シールが届くまでのつなぎとなる小さな紙を貼っているくらいだろう。

 つまり、ユーザーとしては作業内容の説明がわかりやすいだとか、窓口の人が親切といった印象や、納得のできる整備料金を提示してくれる工場を選べばいい。認証工場だからといって整備能力が劣っているというわけではない。いずれにしても分解整備を業務として請け負うのではれば認証工場の必要がある。

 余談だが、認証工場や指定工場には屋内作業場が必須で、その間口や奥行にも基準がある。たとえば、間口3.5m・奥行き5mでは軽自動車に限定される。一方で大型自動車の認証工場になろうとすると間口5m以上・奥行き13m以上が必要だったりするのだ。

 ちなみに、冒頭DIYでメンテナンスを行なう場合という話を書いたが、自分のクルマを自分で整備するのであれば、どんな内容の整備であっても違法ではない。他人のクルマを分解整備するには認証を受けていないと違法になるが、DIYであればエンジンを載せ帰るほどの重整備であっても問題ないのだ。

 ただし、素人がイジり壊した状態で整備工場に泣きついても当然ながらいい顔はされない。そのことは肝に銘じておこう。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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スズキ・エブリイバン(DA17V・4型)/ホンダCBR1000RR-R FIREBLADE SP(SC82)
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モトブログを作ること
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