見栄えはいいけど「使いづらい」! 最近のクルマが「物理スイッチ」ではなく「タッチパネル」を多用するワケ (2/2ページ)

車内のネットワーク化によりいまやスイッチは意味をなさない

 まずそのひとつが、今やスイッチはスイッチでないということ。変ないい方かもしれないが、簡単に言うと昔はバッテリーから電装品につながる配線の途中にスイッチを付けて切ったり、つないだりすることで作動させていた。それが今では車内はネットワーク化され、LANが張り巡らされている。

 そうなるとスイッチは信号を出すだけなので、物理キーの意味はなく、タッチパネルで十分ということになる。わかりやすい例がリーフなどが採用する「スマホの操作でどこからでもエアコンをオンにできる」というもの。スマホは信号を出すだけで、別にバッテリーからの電気を制御しているわけではない。車内のタッチパネルはつまり、このスマホのような機能ということだ。

 そしてもうひとつ。現在まだ物理的なスイッチも使い勝手や操作感を重視した部分には使われているが(こちらも信号を送っている)、ここまで静電気式のタッチが普及すると、コストはどんどんと下がってくるので、複数のスイッチをひとつのタッチパネルに集約したほうが安いということ。

 ユーザーの視点に立ったクルマ作りとはいえ、大量生産品を前提とした実用品だけに、コストは最重要項目だ。よほどのこだわりがない限りは採算度外視で、採用するということはない。この点でもひとつの機能に対して物理キーひとつというのはデメリットになるので、タッチパネル化が進むというわけだ。


近藤暁史 KONDO AKIHUMI

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