「ツアラーV」に「ユーロR」! いま国産セダンから「超スポーティグレード」が消えたワケ (2/2ページ)

スポーツモデルの専門ブランド戦略が大きく影響している

 少し観点を変えて、日本でスポーティセダンが姿を消した理由を考えると、ハイパフォーマンス系ブランド戦略の影響が色濃いと思う。

 2000年代以降、メルセデス・ベンツのAMG、BMWのM、アウディのRSやVWのR、キャデラックのV、そしてレクサスのFといった、エンジン本体にも本格的なチューニングを施す高額なハイパフォーマンス系が、セダン市場で定着するようになった。日本人も、こうした「凄いセダン」の存在が当たり前になってしまった。

 さらに各メーカーは、AMGパッケージやFスポーツなど、ベースモデルに対して外装や内装、さらにサスペンションチューニングなどを、ユーザーがカスタマイズできるビジネスモデルを提案するブランド戦略を進めた。こうなると、昔ながらの、吊るしのスポーティセダンが市場に入り込む余地がなくなってしまったといえるだろう。

 メーカーとしても、AMGやMは注文生産に近い形なので確実に売れるビジネス。また、AMGパッケージなどは、ベース車に対する部品供給の範囲で済むため、投資リスクが少ない。

 ミニバン、軽、そしてSUVが増えていく日本。そのなかでクーペが消え、スポーティセダンが消えていく。時代の変化なので、致し方ないのかもしれない。ただし、逆の見方をすれば、いつの日かトレンドが再び変わり、スポーティセダン復活の日がやって来るのかもしれない。クルマは「流行りモノ」なのだから。


桃田健史 MOMOTA KENJI

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