「高いモノ」が「最適」じゃない! じつは難しい「ブレーキパッド」の選び方 (1/2ページ)

国産車と輸入車の純正パッドは特徴が異なる

 ブレーキパッドは消耗品のひとつ。乗用車で通常3~4万kmごとの交換が推奨されている。車検のときに残量を点検し、新品の半分(5mm)ぐらいまで減っていたら交換するのが理想で、残りが2mm程度なら即交換だ。交換する場合は、純正パッドのほかに、社外のパッドもたくさん用意されているので、選択肢はかなり広い。では、純正パッドと社外パッドは何が違うのか?

 ブレーキパッドには、初期制動性、コントロール性、耐フェード性、耐摩耗性、ペダルタッチ、鳴き(音)の出やすさ、ブレーキダストの量、ローター攻撃性、といった要素が求められ、それらを10~20種類の摩擦材の原材料をブレンドさせることで、性能をバランスさせるようになっている。

 国産車の純正パッドの場合、鳴きの少なさ、ダストの量の少なさ、耐摩耗性、ローター攻撃性などは重視されているが、反対に摩擦係数(約0.35)は低めで、耐フェード性や制動フィーリングは今ひとつ……。

 反対に欧州車の純正ブレーキパッドは、摩擦係数が高いので(0.4~0.45)、初期制動が良い。「ヨーロッパ車はブレーキの利きがいい」というのは、このパッドの性質の違いが大きく影響している。さらに耐フェード性が高く、ペダルタッチや制動フィールも優れているが、その代わり、ブレーキダストは多いし、鳴きが出やすいし、パッドとローターの減りも早い。

 これらはトレードオフの関係にあるので、どっちの性能も欲しいといってもなかなか両立することは難しい。だからこそ、社外のパッドの意義がある。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

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日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)
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