先進の「デジタルルームミラー」は万能じゃない! 「普通の鏡」への切り替え機能が付いているワケ (2/2ページ)

荷物を満載するときや商用車などは有効なアイテム

 また高齢になり、老眼を感じている人は、距離感を伴って虚像で後方の物を確認する鏡と違い、映像を画面で見るデジタルミラーは、ミラー画面に焦点を合わせるのに時間が掛かったり、焦点が合わなかったりするので、デジタルミラーは老眼になる前の若い人向けといえなくもない。

 軽自動車も含め、ルームミラーでのデジタル式の採用が増えており、後席に乗員が居たり、荷物を満載したりしているときに、後方の様子を知るには役立てられるが、たとえば車線変更のような後続車両と間合いを測りながら運転するような場合には、鏡のミラーを利用する方がより安全で、安心感も高まるだろう。

 あるいは、薄暗がりなどで後方の確認がしにくい場合は、デジタルミラーが有効だろう。それはデジタルカメラで経験しているように、多少の暗がりでも明るく撮影できるからだ。また、パネルバン式のトラックは、後方が見えないので運転席にデジタルルームミラーが備えられている。鏡のミラーは使えない車種なので、有効な活用法だ。そのように、デジタルミラーと鏡のミラーは、利用する場面に応じて使い分けするのがおすすめといえる。


御堀直嗣 MIHORI NAOTSUGU

フリーランスライター/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
日産サクラ
趣味
乗馬、読書
好きな有名人
池波正太郎、山本周五郎、柳家小三治

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