新型フィットは何が「心地いい」のか? (2/2ページ)

進化する走りの良さと座り心地の良さ

 フィットに搭載されるハイブリッドシステムは、e:HEV(イーエイチイーブイ)と名付けた2モーターハイブリッドを採用している。基本的にはエンジンで発電しモーターで走行。高速道路での巡航など、エンジンで駆動したほうが効率が良いと判断した場合はエンジン駆動に切り替わる。モーターとエンジンの併用がないのが、e:HEVの特徴である。また、小型車向けのコンパクトな高性能モーターを開発したことで、同社が持つ2.4Lの自然吸気エンジン以上の大トルクを実現。アクセルオンの瞬間から、力強い加速感となめらかな走りを体感することが可能だ。

 組み合わせるのは、1.5LアトキンソンサイクルDOHCのi-VTECエンジン。ホンダ自慢の可変バルブタイミングリフト機構であるVTECと、電動の連続可変バルブタイミングコントロール機構(VTC)により、従来のVTCのみ搭載するエンジンに対し、より広範囲のバルブ制御を実現した。これにより燃焼の高速化やフリクションを低減し、40%以上の最大熱効率を可能として好燃費と運動性能を高い次元で両立させている。

 これらのパワーユニットを最適な状態に保つ、リニアシフトコントロールも採用している。走行状況に応じた最適なエンジン回転数やモータートルクをなどを高精度に制御。アクセル中開度での加速時は、エンジントルクを最大限活用、モーターの走行用電力を確保しながらエンジン回転の上昇を抑制し、加速感と合う最適な回転数に制御する。

 また、アクセル高開度での加速時は、エンジン回転数を段階的に上昇させることで、有段トランスミッション搭載車のように、気持ちよいエンジン回転の上昇とサウンドを実現している。

 スッキリとした視界とともに、運転中はもちろん停車時の休憩中でも快適な空間を演出してくれるのがシートだ。座った瞬間にわかる心地よさと、シンプルかつ上質で飽きのこないデザインとした、新世代フレームを用いるボディスタビライジングシートを採用する。

 上級セダンへの搭載も想定して開発されている、新世代のシートフレームを採用。体圧をしっかりと面で受け止める形状で、乗員をしっかりとサポート。座面パッドは先代モデルに対して30mm以上厚くしつつ、パッドの硬度は下げたことでソフトな着座感を実現している。コンパクトカーながら高いホールド性としっとりとした座り心地を両立する。

 後席もこだわっており、クッション厚をアップさせつつ前席下へ足を入れやすくすることで、長距離ドライブでも疲れにくいように改良されている。座面パッドの面積拡大と厚型化、背もたれ角度の最適化が図られている。全席において、快適なドライブを楽しめる空間に仕立てられているのはうれしいだろう。

ライフスタイルに合わせて選択可能な5つのバリエーション

 新型フィットには、基本パワートレインを変えずにルックスや装備を変更した5つのスタイルが用意されている。それぞれの特徴を紹介していこう。

【BASIC(ベーシック)】

 まさにシンプルイズベスト、と呼ぶにふさわしいグレードだ。ボディカラーは9色から選択可能だが、モノトーンのみとなる。

 インテリアは、エンボスパターン&プレーンな生地を組み合わせたシンプルなファブリックシートを採用。カラーはブラックとソフトグレーの2色から選ぶことが可能だ。15インチタイヤ&ホイールキャップ仕様で、シンプルながら力強さも感じさせる足もとになっている。

メーカー希望小売価格(税込み)
ガソリンエンジン車
FF:155万7600円/4WD:175万5600円
e:HEV車
FF:199万7600円/4WD:219万5600円

【HOME(ホーム)】

 日々の生活のなかで、リラックスできる空間を提供するHOME。BASIC同様にボディカラーは9色をラインアップするが、全色でブラックもしくはシルバーのルーフカラーを採用する2トーンも選択可能だ。タイヤ&ホイールは基本的にBASIC同様の15インチだが、NESSと同様の16インチアルミホイールもオプションで選択可能だ。

 インテリアもカラーバリエーションはBASIC同様にソフトグレーとブラックの2色だが、センター部にはナチュラルテキスタイル、サイド部にプライムスムースをあしらったコンビシートが上質な雰囲気を醸し出している。なお、e:HEVはソフトグレー&ブラックの本革巻きステアリングも装備している。

メーカー希望小売価格(税込み)
ガソリンエンジン車
FF:171万8200円/4WD:191万6200円
e:HEV車
FF:206万8000円/4WD:226万6000円

【NESS(ネス)】

 毎日の通勤を楽しめるよう、気分が盛り上がるようなカラーコーディネートなどを採用。爽快な気分になるフィットネスウェアのように、個性的な黄色い差し色が入るアクセント2トーンカラーがNESS専用に設定されている。組み合わせる車体色は、BASICやHOME同様に9色から選択可能。足もとはスポーティさも感じさせる16インチアルミホイールを装着する。

 インテリアはブラックを基調にコーディネート。シートはブラックとグレーの2トーンが基本だが、ボディカラーでアクセント2トーンカラーを選択した場合はボディカラーと同様にライムグリーンの差し色が施される。なお、シート表皮とソフトパッドには撥水性の高いウォータープルーフ素材を用いて、アクティブに楽しむ人にもぴったりな仕立てとなっている。

メーカー希望小売価格(税込み)
ガソリンエンジン車
FF:187万7700円/4WD:207万5700円
e:HEV車
FF:222万7500円/4WD:242万5500円

【CROSSTAR(クロスター)】

 週末をアクティブに楽しみたいと思う人にピッタリのモデル。SUVらしい雰囲気が感じられるつや消しブラックのフェンダーアーチを採用。ボディカラーにはCROSSTAR専用のサーフブルーを含んだ全8色から選択可能。なと、スタイリッシュさを際立たせる2トーンカラーも用意される。足もとは、CROSSTAR専用の16インチアルミホイールを装着する。

 インテリアは、ブラックを基調にグレーのアクセントカラーをプラス。NESS同様にシートやアームレストには撥水性の高いウォータープルーフ素材を用いている。海や山へ出かけて多少汚れても安心だ。

メーカー希望小売価格(税込み)
ガソリンエンジン車
FF:193万8200円/4WD:213万6200円
e:HEV車
FF:228万8000円/4WD:248万6000円

【LUXE(リュクス)】

 優雅で心地よい空間を追求した、大人のためのモデルと言ってもいいだろう。エクステリアにはプラチナ調クロームメッキを用い、マルチスポークタイプの上品な雰囲気をもつ16インチアルミホイールを装着。

 注目はインテリアだ。ブラックのほかにブラウンを設定。高級車にも負けない風格を感じられる。シート表皮も、全5モデルのなかで唯一本革を採用し、高級感を演出。表皮デザインも質感を重視した専用デザインが施されている。

メーカー希望小売価格(税込み)
ガソリンエンジン車
FF:197万7800円/4WD:218万6800円
e:HEV車
FF:232万7600円/4WD:253万6600円

新型フィットはライフスタイルにこだわりたい人にオススメだ

 コンパクトなボディに燃費と走りの良さを両立したパワートレインを搭載。そして個性的な5つのモデルもラインアップする。新型フィットは、単なる移動手段ではなく、ライフスタイルを充実させたい人にはピッタリなモデルに進化したと言っていいだろう。


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