Honda eは単なるEVじゃない! カーライフのあり方を変える「面白すぎる」1台【試乗】 (2/2ページ)

高速域でも質の高い操縦安定性と走行フィールにオドロキ!

 いよいよ、気になっていた走りをチェック。今回は上級仕様のAdvanceのハンドルを握って街に繰り出していく。信号待ちをしていると、通り掛かりの歩行者に温かい表情で見つめられている視線を感じるのもなんだか嬉しい。モーターがタイヤを転がして走っていく感覚は、振動やノイズが少なく、快適に移動することができる。

 航続距離が求められる環境車でありながら、Advance仕様の足もとには、フロントに205/45ZR17、リヤに225/45ZR17サイズのミシュラン パイロットスポーツ4のスポーツタイヤが装着されていることに驚かされる。そこに、シビッククラスのダンパーが採用されたこともあって、荒れた路面や高速道路の巡航では、タイヤが滑らかに路面を捉え、操縦安定性に優れた走りを披露してくれる。

 最小回転半径はノーマルモデルに採用される16インチも17インチも4.3mと小回り性が高い設定。前輪は大きく切り込めるため、片側1車線の生活道路でUターンをするときはハンドルを切り返す必要がなく、スイスイ走ることができる。

 ドアミラーの代わりに導入されたサイドカメラミラーシステムは、車内のインパネの両端に設置されたモニターにカメラ画像を映し出すというもの。ドアミラーで周囲のクルマを確認する目線の動きに近いレイアウトが取られたおかげで、自然な感覚で使いこなせた。ドアミラーと比べて、カメラは張りだしが少ないので、駐車時に折りたたむ必要はなく、壁スレスレの場所を通過するときには救われることもありそうだ。

 首都高速道路では料金所からの合流や追い越しでアクセルペダルを踏み込んでみる。加速のインパクトは控え目だが、バッテリーの容量が少なめであることを考えると、継続的にパワーを使い切るのは得策ではないのかもしれない。ただし、必要なときは瞬時にトルクが立ち上がってみせるので、不満を抱くことはなかった。

 それよりも、驚かされたのは安定性の高さと質の高い走行フィール。高剛性な骨格と重量配分に優れたパッケージ、低重心であることは、スポーツカー並みの素性の良さを持ち合わせていることになる。カーブでは余計な揺すられ感を与えず、路面のギャップを乗り越えるときは、しなやかな足取りで通過してみせる。まるで高級セダン並みの静けさも手伝って、プレミアムカーのハンドルを握っている気分にさせてくれた。

 450万円オーバーの車両価格は決して安いものではないが、EVのメカニズムのほかに、独創的なRRレイアウト、洗練されたデザイン、未来を先取りできるデジタル系、抜群の操縦安定性、Honda SENSINGがもたらす運転支援機能など、コンパクトなボディには多彩な魅力が凝縮されている。

 今回の試乗を通して、Honda eはハートで向き合える電気自動車であることに、これまでになかった価値を感じた。EVを所有する上では、充電インフラが普及しづらい日本の環境はさまざまな課題が残されているが、Honda eは「人とクルマの在り方は、電動化した未来も捨てたものではない」と教えてくれているようで、なんだか嬉しい気持ちになった。

 ホンダはHonda eのメディア試乗会の最終日に、2021年をもってF1撤退し、カーボンニュートラルに向けた技術開発に力を注ぐと発表を行った。そうした戦略を踏まえれば、まさにこのHonda eこそ、ホンダらしい未来の価値を切り拓くアイコンとなるべきではないだろうか。

 今後は自動車メーカー各社が電動化に取り組むなかで、ブランド独自の魅力を提供していかなければ、あえてホンダを選ぶユーザーの獲得は難しくなる。ユーザーの期待をいい意味で裏切り、ホンダらしい思想が感じられるクルマ作りをこの一台で終わらせてはならない。こうしたクルマづくりのアプローチを今後に役立てて欲しいと思うばかりだ。

Honda eの驚くべき小回り性&安全性を屋内迷路で体感!

 試乗会場では、室内に段ボールで作った迷路が出現。こうした小径を曲がるシチュエーションでは、4.3mの最小回転半径が底力を発揮。前輪が大きく切り込めるから、軽のN-BOXよりも小回りが効いてスイスイ走れる。ドアミラーと置き換わったカメラシステムは、壁とボディの隙間をクルマの外に降りて真横から眺めているかのように見やすくてビックリ!

 室内迷路の模様を動画でチェック!


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