トーヨーの新作スタッドレスを「アイス路」や「圧雪路」で徹底チェック! 実感できた進化とは (1/2ページ)

アイス路でのブレーキングでは明確な差が感じられる

 6年ぶりにトーヨータイヤが冬用タイヤのスタッドレスに新商品「オブザーブ ギズ2」を導入。先代のオブザーブ ガリッドギズの商品力が高かったことと、近年、じつは冬期に求められるタイヤの性能が大きく変わりだしており、その対応を含めて若干時間が掛かったようだ。

 新商品が狙ったのは、温暖化が進み、今の日本の冬期環境は数年前よりも厳しさを増したことへの対応も含めた安心の性能の提供。具体的には、昼に温度があがり氷や雪はとけてシャーベットとなり、そして夜は再度凍る。タイヤにとってはウエット性能も必要だし、シャーベットでの性能も今まで以上に考えなければならず、それでいてアイスやスノーは今までのベクトル上での正常進化が当然求められる。しかも、冬でもアスファルト路面を走るケースも増えてきたので、摩耗変化を含めて経年変化も今まで以上に考慮する必要があるということだ。

 これら実現の為に、数々のこだわりの作りが盛り込まれているが、まずトーヨータイヤのスタッドレスの大きな武器に鬼クルミがある。アスファルトより柔らかく、氷より硬い。この鬼クルミをコンパウンドに“まぶす“ことで、物理的に高いひっかき効果を出せるのだ。その上でタイヤと氷の間の水膜はグリップを落とす天敵なので、NEO吸水カーボニックセルがミクロの気泡状の穴となり水膜を除去する。さらに新型ではタイヤのコンパウンド自体の摩耗性を犠牲にせずに柔軟性を確保して、路面の細かい凸凹を包み込むように密着させてひっかき効果を高める持続性密着ゲルをゴムに配合。もちろんスタッドレスタイヤの要でもあり、いまや通常タイヤでも重宝するシリカを高分散配合して、柔軟性を確保しつつ発熱量を最適にコントロールして、ウェット走行時の優れたグリップ力も確保している。

 これらコンパウンドの効果といえるだろう、アイス路面での先代オブザーブガリッドギズとの比較でとてもわかりやすい差が出た。時速30km程度からのブレーキング比較では、制動距離がまず異なる。体感上では、ブレーキの踏み始めからの氷路面を捕まえる感覚が高まっており、コンパウンドの基本グリップの高さを感じるところだ。ちなみにその際にハンドルを穏やかに左右に振った際の効き具合も高く、安心感が高い。


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