選ぶなら家族のブーイング覚悟! 後席に「ちょっと難あり」な「なんちゃって」ファミリーカー7選 (2/2ページ)

走り出してからの快適性は望めないゴツゴツ感の強い後席をもつ

5)MINI 3ドア

 さて、ここからは輸入車です。5ドアが出てから家族でこちらを選ぶパターンはあまりないかもしれませんが、MINI3ドア。走り好きな人は、MINIの醍醐味でもあるゴーカートフィーリングが3ドアのほうが濃厚なことを知っているので、後席があることを理由に3ドアを選びがちですね。もちろん、後席のスペースそのものは5ドアモデルとそれほど変わらず、座ってしまえば大人でもしっかり座れる空間。

 ただ、バビュンと鋭い加速フィールや、ポンポンと跳ねるような乗り心地、アメンボのように俊敏な車線変更など、走り出してからの快適性はあまり高いとはいえないのです。5ドアでも十分にMINIらしい走りは味わえますので、ぜひ家族もちさんはそちらを選んでほしいと思います。

6)アバルト595

 続いて、羊の皮を被った狼とはまさにこのクルマのことかもしれない、アバルト595。フィアット500がベースとなった、ハイパフォーマンスモデルなのですが、パッと見た感じは可愛らしいデザインなので、ついつい走りも可愛らしいのかなと思ったら、大間違い。

 とくに595コンペティツィオーネ スティーレというグレードは、1.4リッターのターボエンジンなのに、180馬力ものパワーを発揮するモンスターなんです。なので、4人乗りで後席はありますが、穏やかな乗り心地はまったく期待しない方がいいでしょう。ただ、このじゃじゃ馬ぶりにすっかり惚れ込んでしまう女性も少なくないそうですから、もしかしたら「運転させて」とせがまれるようになるかもしれないですね。

7)BMW・X2

 ラストを飾るのは、どんなモデルでも走る歓びを決して忘れないとわかっているので、たとえSUVといえどもクルマ好きには魅力的な、BMW・X2。全長が4.3mほどのコンパクトサイズで、全高を1535mmに抑えているので、機械式立体駐車場にも入り、都市部のファミリーにも人気のモデルです。

 走りの面では、306馬力を発揮する2リッターターボのM35iがとくに世の男性たちをときめかせているのですが、19インチタイヤということもあって、後席の乗り心地はつねにゴツゴツ。もし家族で乗るならば、4WDモデルを選ぶと少し快適性がアップすると思います。

 というわけで、どうしても走りを諦めたくない家族もちの男性が、つい選びがちな魅力的なモデルばかりですね。後席にはたま〜に家族を乗せるくらい、という場合はまったく問題ないと思いますが、毎日のように乗せるとなると、ちょっと家族が冷ややかな態度になってしまうかもしれませんので、ご注意いただきたいと思います。やはり、購入前には必ず家族みんなでそれぞれの席に試乗して、納得してから決めるのが安心ですね。


まるも亜希子 MARUMO AKIKO

カーライフ・ジャーナリスト/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
MINIクロスオーバー/スズキ・ジムニー
趣味
サプライズ、読書、ホームパーティ、神社仏閣めぐり
好きな有名人
松田聖子、原田マハ、チョコレートプラネット

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