選ぶなら家族のブーイング覚悟! 後席に「ちょっと難あり」な「なんちゃって」ファミリーカー7選 (1/2ページ)

弾むような乗り心地など家族が満足するものではないモデルも存在

 クルマ好きな家族持ちの男性が、ファミリーカーを買うときにいちばん苦労するのが、家族からの条件を満たしながら、どれだけ走りの良さを手に入れるか、というところですよね。ひとまず、スライドドアはカンベンしてもらったとしても、やはり後席の快適性はちゃんと考慮してあげないと、購入してから家族に文句を言われっぱなしになってしまうでしょう。

 でも、見た目やスペースの広さだけでは決してわからないのが、後席の乗り心地です。「ちゃんと後席があるからいいだろう」と安易に選んでしまうと、びっくりするくらい後席の乗り心地が硬いクルマというのもあるんです。今回はそんな、走りはいいけど後席に家族を乗せたら文句を言われてしまうそうなクルマたちをご紹介したいと思います。

1)スズキ・イグニス

 まずは、全長3.7mのコンパクトクロスオーバーSUVでも、5人乗りでマイルドハイブリッド搭載と、ファミリーユースにも向いてそうな、スズキ・イグニス。鮮やかなカラーバリエーションや、150万円台からというお手ごろ価格が魅力的なモデルでもあるのですが、後席の乗り心地はちょっと弾むような感じで、長距離ドライブの際の快適性は今一歩というところ。

 最低地上高が180mm確保してあり、ボディサイズに対しては大径の16インチタイヤを履いていること、ホイールベースが軽自動車より短い2435mmしかないこと、などが影響してるのかなという感じです。軽快でキビキビとした走りは楽しいので、後席に家族を乗せるのは街中がメイン、という場合にはいいのかもしれないですね。

2)レクサスRC

 続いて、トヨタ86や日産GT-Rなど4シーターのスポーツカーは、見るからに家族からNGが出そうだけれど、これならきっと大丈夫だろうと選びがちな、スポーツクーペのレクサスRC

 2ドアですが乗り込んでしまえば後席はわりと余裕があるので、家族も思わず「まぁいいか」と賛同するかもしれませんが、やはり3.5リッターのV6エンジンから発するパワーを受け止め、俊敏で気持ちのいい走りを実現するために、後席の乗り心地は二の次。481馬力を誇るRC Fはもっと硬めになっています。もし後席にしょっちゅう家族を乗せるならば、ハイブリッドモデルを選ぶといくらか快適性もアップすると思います。

3)スズキ・ジムニー

 次に、20年ぶりのフルモデルチェンジで室内の快適性がアップし、後席の居住性もよくなったと言われている、軽クロカンSUVのスズキ・ジムニー。確かに先代と比べたら、驚くほどよくなっているんです。でもジムニーの場合、やはりいちばん譲れないのはオフロードの走破性です。よくなったと言っても、家族が満足するような快適な乗り心地にはほど遠いんですね。

 とくに高速走行ではつねに振動が伝わってくるような感じです。その代わり、雪道や未舗装路での安心感、頼もしさと言ったら、世界に誇れるくらいの実力。休日は頻繁にアウトドアレジャーに出かけるというファミリーなら、選んでも後悔はないと思います。

4)トヨタC-HR

 次は、世界で最も過酷だと言われるニュルブルクリンク・サーキットで走りを磨いたSUVといえば、トヨタC-HR。その走りは確かに、SUVという概念を覆してくれるほど爽快で楽しいもので、運転席にいるぶんにはとてもフラットな乗り心地に感心するほど。

 なのですが、後席は頭上と足もとのスペースがタイトなうえ、乗り心地もさすがに硬めです。ハイブリッドモデルなら、やや落ち着きがアップするシーンもあるので、家族で乗るならハイブリッドモデルがベターでしょう。


まるも亜希子 MARUMO AKIKO

カーライフ・ジャーナリスト/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
MINIクロスオーバー/スズキ・ジムニー
趣味
サプライズ、読書、ホームパーティ、神社仏閣めぐり
好きな有名人
松田聖子、原田マハ、チョコレートプラネット

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