スズキ・ソリオがフルモデルチェンジ! ボディサイズ拡大で広々室内空間を確保し乗り心地や静粛性も向上

先代に採用されていたストロングハイブリッドは採用されず

 スズキのAセグメント背高ワゴン「ソリオ」が5年ぶりにフルモデルチェンジ。2000年デビューのワゴンRソリオから数えて4代目となる新型が12月4日に発売される。

 先代ソリオのフロントマスクはわかりやすく押し出しの強さを重視した、背高ワゴンとしてはオーソドックスなデザインだったが、新型ではフード先端が45mm高められる一方、ヘッドライトやフロントグリルの厚みが標準車、エアロ仕様の「バンディット」とも抑えられたものに。サイドビューにはウインドウ上部とドアパネルに波状のラインが入り、リヤもメッキガーニッシュでワイド感が強調されたことで、よりスポーティな印象に生まれ変わった。

 インテリアはセンターメーターを継承しつつも、ドアトリムに波状のラインをあしらったモダンなデザインに進化。標準車はグレーを基調にネイビーとホワイトをアクセントとした色使い、バンディットはブラックとボルドーの2トーンとなり、華やかかつ上質な空間に一新されている。

 新型ソリオのボディサイズは標準車、バンディットとも全長×全高×全幅が3790×1645×1745mm、ホイールベースは2480mmと、先代より全長が80mm(バンディットは70mm)、全幅は20mm大きくなっているが、前者は荷室床面長の100mm拡大に充てられたうえ、パッケージングも見直しされたことで、35Lサイズのスーツケースを5個積めるラゲッジスペースを実現。また後席はショルダールームが20mm、ヘッドクリアランスが上下・左右ともに5mm拡大した。

 スズキのADAS(先進運転支援システム)「スズキセーフティサポート」も機能が充実している。カラー表示のヘッドアップディスプレイがスズキの小型車で初めて採用されたほか、アダプティブクルーズコントロール(ACC)は全車速追従機能付きに進化。また、上級グレードにメーカーオプション設定される「全方位モニター付メモリーナビゲーション」のカメラ映像がデジタル伝送に変更されたことで、9インチモニターに表示される自車周辺の映像がより鮮明になった。

 肝心の走りもアップデートされている。プラットフォームは「ハーテクト」を先代より継承しているが、現行ハスラーと同様に構造用接着剤をドア開口部やリヤホイールハウス周辺に使用してボディ剛性を高め、高減衰マスチックシーラーをルーフパネルとルーフメンバーの接合に用いることでこもり音を低減した。そのほかにも、エンジンルーム隔壁のサイレンサーを一体成形に変更し、リヤフェンダーライニングの面積をリヤフェンダー内全面に拡大、FF車のリヤスタビライザーにストッパーゴムを追加して静粛性を高めている。

 サスペンションも大幅に見直されている。まずダンパーはフリクション低減のうえ、高応答・飽和特性ピストンバルブを初めて採用。バンプストッパーもフロントをゴム製からウレタン製に改め、リヤもウレタンの発泡密度を変更した。そしてリヤサスペンションはストロークを拡大しつつ、スプリング定数を30%高めている。これらにより、とくに後席の突き上げを低減しながら、操縦安定性も改善したという。

 なおパワートレインは、K12C型直列4気筒「デュアルジェット」エンジンとCVTとの組み合わせを標準車の廉価グレード「G」に、マイルドハイブリッドを加えた仕様を標準車の「ハイブリッドMX」および「ハイブリッドMZ」、バンディット唯一のグレード「ハイブリッドMV」に設定。先代では2016年11月に追加された、K12Cに5速AMT「オートギヤシフト」、ストロングハイブリッドとの組み合わせは廃止された。

 内外装はモダナイズしながら質感が大幅にアップし、機能は着実に正常進化してきた新型ソリオ。Aセグメント背高ワゴンの先駆者としての意地を見せ、ダイハツ・トール/トヨタ・ルーミー/スバル・ジャスティから王座奪還なるか!?

 各モデルのメーカー希望小売価格(税込み)は下記の通り。

【ソリオ】
G 158万1800円(2WD)/170万7200円(4WD)
ハイブリッドMX 185万200円(2WD)/197万5600円(4WD)
ハイブリッドMZ 202万2900円(2WD)/214万8300円(4WD)

【ソリオ バンディット】
ハイブリッドMV 200万6400円(2WD)/213万1800円(4WD)


遠藤正賢 ENDO MASAKATSU

自動車・業界ジャーナリスト/編集

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