話題のカスタムカーだけじゃない! オーテックジャパンは福祉車両からレース用部品まで手掛ける職人集団 (1/2ページ)

これまでに数多くのスペシャルモデルを生み出してきた

 1986年に日産グループ内の特装車と機能と人材を集結させ、独立会社として設立された「オーテックジャパン」。その業務は多岐に渡り、カスタムカー、福祉車用、商用特装、さらには一品対応のオーダーメイドなどなど……つまり、日産本体では実現が難しい「少量多品目」を通常の日産車同じクオリティ・保証で提供するスペシャル集団である。

 そのなかでもカスタムカー事業は特別なスペックをノーマルと同じ品質・保証で提供する「ファクトリーカスタム」と呼ばれる。古くは日産のさまざまなモデルをベースにメカニズムを中心にチューニングを施した「オーテックバージョン」や、量産車には存在しない4ドア仕様のスカイラインGT-R(R33型)やステーションワゴンのステージアにGT-Rのパワートレイン&駆動系をドッキングさせた「260RS」、そしてマーチ(3代目)のスポーツバージョン「12SR」など、日産で対応できないスペシャルモデルも数多く開発。さらにイタリアのカロッツェリア・ザガートと共同開発した独自モデル「オーテック・ザガート・ステルビオ」の販売も行っている。

 身近なモデルでは、SUV(当時は乗用RV)やミニバン(当時は1BOX)をベースにしたドレスアップモデルも早い時期から販売しており、1995年に登場したエアロパーツを装着した「ラルゴ・ハイウェイスター」は、あまりに人気の高さに日産の量産車に昇格したほど。その後、ドレスアップモデルはメッキを多用したワルなデザインが与えられた「ライダー」、高級感をプラスさせた「アクシス」や「ボレロ」、「モードプレミア」などのバリエーションを拡大。

 独自のブランドモデル以外にも、さまざまなモデルを手掛けており、Z33/Z34型フェアレディZの「バージョンNISMO」はNISMOが企画しオーテックジャパンが開発というコラボで誕生。さらに2013年から展開されたNISMOロードカーの開発支援も行なっており、いくつかのモデルには「AUTECH」のステッカーが貼られている。また、日産自動車のプロジェクトの請負も行い、北米やアセアン地域で販売されているモデルのなかでは“隠れ”オーテックも存在する。

 そんなオーテックジャパンのファクトリーカスタムは、2017年4月に発表の「NISMOロードカー事業拡大」に合わせてブランドを再編成。ライダーやモードプレミアム、ボレロといったサブブランドを「AUTECH」に集約。さらに「NISMO」もオーテックジャパン内に設立された「NISMOロードカー事業部」が企画・開発・マーケティング・アフターセールスに関わるすべての機能を担当。

 NISMOロードカーはジューク(現在は生産終了)を皮切りにフェアレディZ、マーチ、GT-R、ノート(現在は生産終了)、セレナ(現在は生産終了)、リーフ、さらに海外専用モデルとしてセダンのセントラ(北米向け)、SUVのパトロール(中東向け)をラインアップ。

 AUTECHは国内専用モデルとなるが、2018年に登場のセレナを皮切りに、ノート、エクストレイル、リーフ、ROOX、エルグランドと、今やNISMO以上のラインアップを誇っている。


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