0分山だけどすり減った市販タイヤとは違う! レース用のタイヤはなぜ「テカテカ」「ツルツル」なのか (1/2ページ)

市販車のタイヤとはもはや別モノ!

 世界最高峰のフォーミュラカーレースであるF1を筆頭に、スポーツカーレースの最高峰シリーズ、WEC、さらに国内で最大の人気を誇るスーパーGTや国内トップフォーミュラのスーパーフォーミュラに至るまで、レーシングカーに装着されているタイヤは、すべて表面がテカテカでツルツルした状態だ。

 私たちが日常で使用する市販モデルの装着タイヤと違って、溝はなく、普通のラジアルタイヤを基準とするならば、レース用タイヤはスリップサインが出た状態を通り越して、もはや“0分山”とも呼べるレベルにあるのだが、なぜ、レース用のタイヤは溝がないうえに、表面が“ツルツル”なのか?

 市販のラジアルタイヤと同様に、レース用のタイヤも円形かつ黒い状態ではあるものの、じつはまったく別物で、レース用タイヤは特殊な構造となっているほか、使用されているゴムもレース専用に開発されたもの。さらにドライ路面においては排水の必要がないことから、いわゆるドライ用のスリックタイヤは路面との設置面を増やして、グリップを高めるべく、溝を排したデザインが採用されている。

 加えて使用されている金型やゴムの関係により、新品の状態は光沢を持つことから、レース用のタイヤは意図することなく、ツルツルでテカテカの状態となっているのだ。


廣本 泉 HIROMOTO IZUMI

JMS(日本モータースポーツ記者会)会員

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