現行車なのに月販「ひと桁」! 中身はスゴイのに「売れなさすぎ」のクルマ5台とその理由 (2/2ページ)

クルマとしての出来は高くても手が出ないもったいないモデルも

3)ホンダ・レジェンド

 クラリティにつづき、月販7台でワースト3位となってしまったのが、ホンダのフラッグシップセダン「レジェンド」。3.5リッターエンジンと3つのモーターを組み合わせたハイブリッドシステムは世界唯一といえるものですし、その駆動制御によるハイスピードコーナリングの凄さは異次元のもので、スポーツ派にも味わってほしいと思うほどの走りですが、やはり724万9000円という価格は、このクラスのセダンを買おうというユーザーに二の足を踏ませているのかもしれません。

4)三菱i-MiEV

 同じく月販7台にとどまったのが三菱i-MiEV。世界初の量産電気自動車として2009年に量産がはじまったパイオニアといえるモデルです。もともとは軽自動車でしたが、2018年4月のマイナーチェンジでは、全長が伸びて登録車となるという大きな進化を遂げています。

 しかし、なかなか話題にならないのは2009年から基本的なメカニズム(バッテリーやモーター)が進化していないからといえるでしょう。なお、一部報道によると2021年3月に生産終了になるということで、このままフェードアウトしていく運命というわけです。

5)日産シーマ

 そしてワースト5位となるのが、月販8台の日産シーマ。シーマといえば、もともとはセドリック/グロリアの上位モデルというポジションで生まれたモデルで、バブル期には「シーマ現象」を巻き起こした伝説の名前ですが、昔日の勢いは見る影もありません。現在は日産系のショーファードリブンという位置づけで、メカニズム的には日産フーガと共通部分が多い、フーガのロングホイールベース仕様といっていいモデル。

 パワートレインは3.5リッター V6エンジンの1モーター2クラッチハイブリッドで、システム最高出力268kW(364馬力)というのは十分にパワフルですが、社用車やハイヤーでの用途がメインのモデルとなれば、あえて購入しようというユーザーが増えることも考えづらく、また823万1300円~という価格も、手が出しづらい存在にしています。ちなみに、同月におけるフーガの新規登録台数は66台、なかなか厳しいものがあります。

 とはいえ、じつは2020年11月でいえばタイから輸入されるホンダ・アコード、アメリカから輸入されるホンダNSXは、いずれも0台でした。それぞれの市場が小さいということもありますし、コロナ禍における物流への影響もあるのかもしれませんが、本当の「売れていないランキング」では、この2台が双璧といえるのかもしれません。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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