600馬力なのにリッター20kmも走る「GT-R」が現実になる? HKSの「プレチャンバ」とは (1/2ページ)

点火プラグ先端を小さな容積で覆った構造を指す

 HKSが東京オートサロン2021に代わりに実施した、「HKSプレミアムサロン オンライン2021」で、旧車に最新の技術、未来の技術を取り入れたヘリテージパーツの開発が発表された。その第一弾が『RB26アドバンスドヘリテージ』。

「出力と燃費を高次元で両立したRB26エンジンの開発」がコンセプトで、目指すは“600馬力で燃費20km/L(WLTC)”という驚きのスペック。

 それを実現させるテクノロジーとして、

・プレチャンバ

・デュアルプレアムインテーク

・バーチカルターボチャージャー

・デュアルインジェクション

 といった最新技術が紹介されている。

 このなかでとくに注目したいのが、「プレチャンバ」。

 プレチャンバとは、点火プラグ先端を比較的小さな容積で覆った構造のこと。簡単にいうと主燃焼室の一部にもうひとつ小さな副室(=プレチャンバ)を設け、まずこのプレチャンバで混合気に点火し、プレチャンバ先端の複数のオリフィスからジェット火炎を噴出させて、主燃焼室(メインチャンバ)の混合気を燃焼させるという仕組み。

 プラグのように火花で着火するのではなく、ジェット火炎を点火源にすることで、薄い混合気でも確実に燃やせるようになり、超希薄燃焼を可能にする。

 それだけでなく、燃焼期間は一般的なイグニッション点火に比べ、約半分に短縮され、ノック限界が向上し、燃焼効率もアップする。また、燃焼安定性も格段に上がり、薄い混合気にもかかわらず短時間できれいに燃焼するので、排気ガスもクリーンになる。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

愛車
日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)
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