希少なロータリーエンジン搭載車「マツダRX-7」の魅力や中古車市場での人気ぶりとは (1/2ページ)

ロータリーエンジンを搭載する貴重なスポーツクーペ

 マツダを代表するスポーツカーが、RX-7である。最大の特徴であるロータリーエンジンを搭載し、独特の加速感でファンを魅了している。そんなマツダRX-7の魅力と歴史などを解説していこう。

●RX-7とはどんなクルマ?

マツダが量産に成功したロータリーエンジンを搭載

 ロータリーエンジンはRX-7が初搭載ではない。1967年のコスモスポーツへの搭載以降、ファミリアやサバンナ、カペラやルーチェなどさまざまなモデルに搭載されてきたのだ。そして、満を持してRX-7が1978年3月に誕生したのだ。

初代(SA22C型・1978年〜1985年)

 73年の第一次オイルショックのあと、78年の第二次オイルショックが起き、日本国内も混乱のときに誕生。アメリカのマスキー法を受け、73年から排ガス規制が始まっているという厳しい時代に誕生。国内モデルはサバンナRX-7という名前が与えられていた。

 当時の国産車は排ガス規制を満たすために性能を抑えるモデルが多かったが、12A型2ローターエンジンは130馬力(グロス値)を発揮した。その後、82年にはロータリーターボを搭載。エンジン単体のグロス値は165馬力を発生。そのほかの国産車の2リッタークラスと比べて抜きん出た値ではなかったが、1020kg(GTターボ)と圧倒的に軽量だったため、スポーツカーの名に恥じない加速性能を誇った。

2代目(FC3S型・1985年〜1991年)

 7年半生産された初代に続き、2代目へ進化。より純粋なスポーツカーとして進化を遂げるため、新たに開発した13B型ロータリーターボを開発。2ローター空冷インタークーラー付きツインスクロールターボは、185馬力を発生。パワーウェイトレシオは1馬力あたり6.54kgである。

 86年には特別仕様車「アンフィニ」を300台限定で発売した。RX-7として初めての2シーター仕様となり、BBS製アルミホイールや専用ダンパー、アルミ製ボンネットなど走りにこだわった装備を与えている。また、87年にはロータリーエンジン車発売20周年を記念し、カブリオレも設定されている。その後、89年のマイナーチェンジでターボチャージャーを改良。205馬力にアップしている。

3代目(FD3S・1991年〜2003年)

 3代目は91年10月に発売。初めて3ナンバーボディが与えられている。サバンナの名が外れ、デビュー当時は販売チャネルにちなんでアンフィニRX-7と名付けられた。FCと比べて全長やホイールベース、全高の数値は小さくなり、より走りを追求するボディに生まれ変わっている。

 13B型ロータリーターボは、従来比50馬力アップとなる255馬力に進化。軽量化と出力向上により、パワーウェイトレシオは1馬力あたり4.9kgという数値を達成した。96年のマイナーチェンジで265馬力に、そして99年のマイナーチェンジで280馬力までアップ。そして、2002年8月に24年間続いたRX-7の歴史に幕を下ろした。

後継モデル・RX-8

 RX-7の後継モデルとして、03年から発売された。RX-7と同じ13B型ロータリーエンジンを搭載するが、ターボを搭載しない自然吸気型となった。観音開きドアを採用する2+2の4ドアクーペとなり、個性的なスタイリングも注目を集めていた。2012年6月までの9年間生産された。

●RX-7はなぜファンを魅了するのか

魅力1 ロータリーエンジン

 やはり、RX-7の魅力といえばロータリーエンジンだろう。いかにもローターが“回っている”と感じさせるような回転フィーリングとサウンドは、レシプロエンジンとは異なる魅力がある。それによって生み出される独特の加速感が好きという方も多いのではないだろうか。

 また、燃費に関しては不利と言われているが、速さと燃費を高次元で両立させないと勝利はないとされる、伝統の耐久レース「ル・マン24時間」を91年に制覇している。700馬力までパワーアップした4ローター使用のロータリーターボを搭載した、マツダ787Bは、今も伝説として語り継がれているのだ。それ以外でも国内外で速さを見せつけ、世界中のファンから支持されるエンジンとなったのだ。

魅力2 スタイリング

 歴代モデルすべてが流麗なスタイルで。RX-7は初代のSAから最終型のFDまで、リトラクタブルヘッドライトを採用している。低く構えた、アスリートのようなスタイリングは全モデルを通して貫いてきた特徴のひとつである。

 エンジン本体はコンパクトな設計ながら、ローングノーズとは言わないがボンネット部がしっかりとある、FRらしさを強調するエクステリアデザインも、スポーツカーらしさを実感させるポイント。

 大人のスポーツクーペのような雰囲気もありながら、2シーターとして走りにこだわた仕様も用意するなど、スポーツカーとしての性能をとことん追求していたのも魅力のポイントと言えるだろう。

魅力3 軽さ

 スポーツカーにとって、軽さは大きな武器になる。RX-7はライトウェイトにこだわって開発されている。3代目のFD型では、1馬力あたり5kg以下を目標に掲げていた。その結果、4輪ダブルウイッシュボーンサスペンションはオールアルミ製、車体は不要な部分を肉抜きし、強度の必要な部分に補強を加えるマツダ独創のモノコック・スペース構造を採用。ペダル類もアルミにしてグラム単位で軽量化にこだわっていたほどだ。

 FC型よりも50馬力アップさせた255馬力のロータリーターボを搭載したことで、パワーウェイトレシオは1馬力あたり4.9kgを実現。デビュー時の車重は1290kg、限定車などを除く最終型の4人乗り仕様のタイプRSでも1280kgという軽量ボディを実現。最終型は280馬力だったため、エンジンの排気量なども違い、単純な比較はできないが、同じ出力のライバルたちと比べても、トヨタ・スープラRZ(JZA80)が1510kg、日産スカイライン25GTターボ(R34)1410kgと、約100kg以上は軽いのだ。


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